Project/Area Number |
23K05218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39030:Horticultural science-related
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Research Institution | 岡山県農林水産総合センター生物科学研究所 |
Principal Investigator |
小田 賢司 岡山県農林水産総合センター生物科学研究所, その他部局等, 専門研究員 (10344409)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | モモ / 収穫期 / 果実 / DNA変異 / 育種マーカー |
Outline of Research at the Start |
モモは、6月後半~9月前半の夏季数カ月が主な収穫シーズンであるが、一つの品種に着目すると、収穫期間は10日~2週間程度に過ぎない。このため、各品種にとり、シーズンのどの時期に収穫できるかは、大変重要な形質である。一方、各品種の収穫期を決める遺伝的要因は、果樹が実験材料として扱いにくいこともあって、理解が不十分である。これまでの多くの報告や日本品種を用いた我々の解析によれば、収穫期は多数の遺伝子が関係する量的形質であるものの、4番染色体に強い遺伝子座が認められる。本研究では、これらの知見をもとに、分子生物学やゲノム解析の手法を利用して、モモ果実成熟の分子機構を遺伝子レベルで解明することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
モモは、一品種の収穫期間が10日からせいぜい2週間程度と大変短い。このため、6月頃から9月頃までの収穫シーズンのいつ頃収穫できるかは、各品種にとって極めて重要な形質とされる。本研究は、モモの収穫時期が品種によって異なる機構を遺伝子レベルで明らかにすることを目指している。これまで、4番染色体中央付近のディプロタイプで、日本で栽培される品種の収穫期がよく説明できることを見出しており、本年度は4番染色体上の遺伝子について解析した。交配樹の染色体組換えを利用して、収穫期と強く相関する遺伝子の存在する領域を推定し、そこにコードされる遺伝子について、ハプロタイプ特異的な変異を有するものを探索した。しかし、収穫期と相関すると期待される変異をもつ遺伝子を見出すことはできなかった。そこで、この領域にコードされる遺伝子の発現解析を試みた。収穫期を規定する遺伝子は、果実の果肉特異的に強く発現するのではないかと推測し、RNAseq解析により、果肉組織で強く発現しており、発現量が葉組織に比べて高いものを探索した。その結果、一つの遺伝子が候補遺伝子として単離された。さらに、果実成熟に伴う発現変化を調べたところ、成熟に伴って発現量が増加しており、収穫期決定に働く可能性が示唆された。ただし、この遺伝子は収穫期と相関する変異を有していない。そこで、発現量がハプロタイプで異なっている可能性を調査した。cDNAクローン数やRNAseqのデータをもとに解析を行ったところ、ハプロタイプ間でこの遺伝子の発現量が数倍違っていることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モモの4番染色体上の遺伝子を解析し、収穫期を規定する遺伝子を推定した。この遺伝子に収穫期形質と相関する変異はないものの、発現量がハプロタイプにより異なっている可能性を示すことができた。これらのことから、本年度の研究は、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、これまでに単離した遺伝子の果実成熟に伴う発現誘導が、品種によってどのように違うかを明らかにする。また、この遺伝子の発現量がハプロタイプによって異なることを、TaqMan PCRなどの本年度とは別の方法で解析し、データをより確かなものにする。次に、ハプロタイプにより遺伝子発現が異なる分子機構について調べる。特に、遺伝子上流域の遺伝子変異が発現に影響している可能性を検討する。具体的には、遺伝子上流の変異領域をレポーター遺伝子につなぎ、モモの果実に一過的に導入して、レポーター遺伝子の活性が変異の有無によって異なるかどうかを調べる。 令和7年度は、DNA変異を簡便に検出するマーカーを開発し、岡山県農業研究所のジーンバンクで生育する多数の品種を用いて、収穫期とマーカーによる判別結果との相関を検証する。
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