リンゴ野生種Malus hupehensisの相転換機構に対する光質の影響解明
Project/Area Number |
23K05221
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39030:Horticultural science-related
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
渡邉 学 岩手大学, 農学部, 助教 (00361048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小森 貞男 岩手大学, 農学部, 教授 (00333758)
加藤 一幾 東北大学, 農学研究科, 准教授 (30613517)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 水耕栽培 / 相転換 / 幼若相 / 早期開花 |
Outline of Research at the Start |
リンゴ栽培種は、播種後、初開花するまで長年月を要するため、優良品種の早期育成には、幼若相から花芽形成する成熟相への転換促進技術の確立が極めて重要である。リンゴ野生種 Malus hupehensisを供試し、果樹全般の相転換との関係が未検討である「光質」に着目し、照射する光質の違いが実生の栄養生長、相転換および花芽形成に及ぼす影響を解明するとともに、相転換に関与する植物ホルモン動態と遺伝子発現量も解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
照射する光質の違いがリンゴ野生種Malus hupehensis実生の栄養生長、相転換および花芽形成に及ぼす影響を解明するとともに、相転換に関与する植物ホルモン動態と遺伝子発現量も解明することを目的に以下の実験を行った。 恒温室(25℃)でM.hupehensisを播種し、水耕栽培で育成した。処理区として、光源に高圧ナトリウムランプ(HPS)とメタルハライドランプ(MH)を用いた。しかし、多くの個体で生育が悪く、M.hupehensisの栄養成長、相転換および花芽形成に対する光源の影響を明らかにすることはできなかった。そこで、次の試験に向けて2024年2月に新たにM.hupehensisを播種し、現在育成中である。これらの過程で、恒温室内の湿度が低い方がM.hupehensisの生育が旺盛になることが分かった。 2022年に播種し、HPSランプとMHランプで水耕栽培したM.hupehensisの個体を恒温室から土耕の自然条件に移設し、翌年にサンプリングする材料を育成した。また、2021年に恒温室で播種し、全期間HPSランプで水耕栽培したM.hupehensisの個体を鉢植えの自然条件で管理していた。2023年5月時点で、これらの個体はすべて相転換していなかったため、相転換を促すために2023年5月下旬により容積の大きな25L鉢に植え替えて、5月~9月まで50節および100節周辺の葉を毎月採取した。次年度、これらの個体の開花状況を確認し、開花個体と非開花個体に分けて、採取した葉の植物ホルモンおよび相転換関連遺伝子を調査する予定である。関連して、露地植えのM.hupehensisの花芽分化期は6月下旬であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年7月に恒温室(25℃)でM.hupehensisを播種し、水耕栽培で育成した。処理区として、光源に高圧ナトリウムランプ(HPS)とメタルハライドランプ(MH)を用いた。しかし、多くの個体で生育が悪く、M.hupehensisの栄養成長、相転換および花芽形成に対する光源の影響を明らかにすることはできなかった。そこで、これまでに育成してきた以下のM.hupehensis個体を中心にサンプリングした。 2022年7月中旬に恒温室で播種し、恒温室を遮光幕で区切り、①前半はHPSランプ、後半はMHランプで栽培する区、②前半はMHランプ、後半はHPSランプで栽培する区、③全期間をHPSランプで栽培する区、④全期間をMHランプで栽培する区を設けた。いずれも水耕栽培した。光源の変更時期は樹高200cm到達時とした。播種後11か月の2023年6月下旬に21cmビニールポットの土耕栽培に変更した。しかし、恒温室内で開花した個体はなかったため、この時点では相転換に対する光源の影響を確認できなかった。そこで、これらの個体を2023年8月中旬に恒温室から露地へ移設し、管理した。翌春に開花状況を確認したうえで、既相転換個体と非相転換個体および初開花した相転換個体から経時的に葉を採取し、植物ホルモンおよび相転換関連遺伝子を調査する予定である。 2021年5月下旬に恒温室で播種し、全期間HPSランプで水耕栽培したM.hupehensisの個体がある。これらを2022年7月に21cmビニールポットの土耕栽培に変更し、露地の自然条件で管理していた。2023年5月時点で、これらの個体はすべて相転換していなかったため、2023年5月下旬により容積の大きな25L鉢に植え替えて、5月~9月まで毎月葉を採取した。次年度に開花状況を確認後、葉の植物ホルモンおよび相転換関連遺伝子を調査する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年に播種した鉢植え個体と2022年に播種した露地植え個体について、開花状況を確認し、開花個体と非開花個体の生育を比較する。また、これらの個体について5月~9月まで毎月、地際から50節、70節、90節および110節の葉を採取し、植物ホルモンおよび相転換関連遺伝子を調べる。加えて恒温室において、M.hupehensisを播種し、光源の種類が栄養生長、相転換ならびに植物ホルモン、相転換関連遺伝子に及ぼす影響を調べる。今回、恒温室で水耕栽培したときに湿度が低い方が個体の生長が旺盛になる傾向がみられた。したがって、水耕栽培する個体数を増やすと恒温室内の湿度が上がりやすいので、個体数が多くなり過ぎないように計画を設計する。また、本試験では光源に波長の異なるHPSランプとMHランプを用いている。これに加えて、赤色LEDと青色LEDを用いてM.hupehensisの栄養生長に対する影響も確認する。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)