Project/Area Number |
23K05231
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39030:Horticultural science-related
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
高橋 芳弘 九州産業大学, 生命科学部, 教授 (20390891)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | ポリアミン / 老化制御 / レアポリアミン / 老化 / 植物 |
Outline of Research at the Start |
植物が生産するポリアミン類は老化抑制に関わる可能性が示唆されている物の、その詳細に関しては不明な点が多い。そこで本研究では、青果物や切り花など幅広い植物を研究材料として使用し、ポリアミン代謝経路の理解や遺伝子発現量の変化、ポリアミン高蓄積植物体やポリアミンを処理した際の老化抑制機構等を理解する事で、収穫後の農作物や切り花の鮮度保持・品質向上へと役立てる。
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Outline of Annual Research Achievements |
ポリアミンは第一級アミノ基を2つ以上持つ脂肪族炭化水素の総称であり、植物の代表的なポリアミンとして、ジアミンのプトレッシン、トリアミンのスペルミジン、テトラアミンのスペルミンとサーモスペルミンが知られている。これらのポリアミン類は、核酸と相互作用してタンパク質・核酸合成を促進する細胞増殖因子として働くだけでなく、様々な生理現象にも関わる機能分子である。近年の研究から、ポリアミン類は植物の老化制御機構にも関わる可能性が示唆された事から、本研究では、青果物や切り花など幅広い植物種を研究対象として、老化過程に関わるポリアミン代謝制御因子の特徴を理解する事、また、様々な植物種の中から老化制御能の高い機能性新規ポリアミン分子を探索する事、を目的としている。 令和5年度の研究では、生体内ポリアミンを高感度に分析する事が可能なガスクロマトグラフ質量分析法を用いて、複数の植物種の老化過程での生体内ポリアミン動態を詳細に分析した。また、データベース上に存在する遺伝子配列情報および混合塩基プライマー群を用いたPCR法によって、それらの植物体内に保存されているポリアミン合成・分解に関わる遺伝子群の単離を行った。そのほか、一部の植物体のみが生産している可能性のある極微量ポリアミン分子の探索を行い、維管束を持たない植物種から、通常の植物体では検出されないレアポリアミン類を2種類発見し、それらのポリアミンの合成経路および合成に関わる因子の同定に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの進捗状況に関しては、概ね計画通りに進展したと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究から、青果物や切り花の一部における老化時の生体内ポリアミン動態およびポリアミン代謝制御機構に関わる遺伝子群を単離する事ができた。そこで今後は、リアルタイムPCRを用いた遺伝子発現量の詳細解析を行い、老化時に発現が強く誘導される因子、老化に先立ち発現が顕著に減少する因子、の双方を理解する。さらに、この解析により老化との関わり合いが推測された因子に関しては、大腸菌を用いたリコンビナントタンパク質等を作製し、その特徴を解析する。また、一部の植物体のみが生産するレアポリアミン合成酵素遺伝子を同定する事もできた事から、レアポリアミン合成遺伝子をシロイヌナズナやトマトにおいて過剰発現させた植物体を作製する事で、老化との関連性に関しても詳しく調査する予定である。
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