Project/Area Number |
23K05239
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39040:Plant protection science-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
千葉 壮太郎 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (70754521)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | 菌類ウイルス / 病原性 / ハイポヴィルレンス / 赤かび病 / FbLFV1 / D-RNA / mycovirus / defective RNA / pathogenicity / virocontrol |
Outline of Research at the Start |
糸状菌-菌類ウイルスの関係性において、どのようなウイルス因子が、どのような宿主因子と相互作用し、どのように宿主病原菌の生育や病原性を低減させるに至るか明らかにしたい。そこで、FbLFV1 D-RNAが獲得した病原性発現機能を下記のスキームで明らかにする。①FbLFV1 D-RNAコードタンパク質の病原性発現機能を多面的に解析し、他方で②D-RNAのFbLFV1対する干渉機能(DI-RNAとしての機能)を調査すると共に、③FbLFV1 D-RNAが宿主菌細胞内で誘導する変化を転写プロファイルの比較により理解し、④その端緒となるであろうD-RNAコードタンパク質と相互作用する宿主因子を特定する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、植物病原糸状菌(赤かび病菌)とそれに感染して菌病原性を抑制する菌類ウイルス(FbLFV1,RNAウイルス)のシステムで、菌類ウイルスによる宿主菌病原性抑制の分子機構を明らかにするものである。予備試験結果では、本ウイルスが複製過程で派生したと考えられる内部欠失セグメント(D-RNA)がウイルス病原性を支配していた。2023年度の成果としては、D-RNAコードタンパク質がFbLFV1感染と協調的に病原性を発揮することが確認され、さらに、このタンパク質のN、C末端領域や膜貫通ドメイン、機能未知のPHA03247相同ドメインなどの部分欠失で有為に病原性を失うことを明らかにした。また、PDB液体培地中で培養したFusarium boothii BL13株のFbLFV1単独感染、FbLFV1+D-RNA共感染、および非感染の3菌株を用いてトランスクリプトーム解析を実施した。その結果、各サンプル間で200以上のDEGが検出され、感染するウイルスの組成で宿主菌体内の転写状況が大きく異なることが明らかとなった。しかし、D-RNAタンパク質がどのような変化を宿主細胞にもたらし、病原性を発揮するかは未だ明らかに出来ていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ウイルス側の病原性因子が特定できたこと、この因子だけでは病原性が発揮されず親ウイルスFbLFV1の感染が病原性に必要であること、非病原化した菌株(FbLFV1+D-RNA)においては数百に上る遺伝子の発現が変動していたこと、など本研究課題で掲げる「ウイルス病原性の分子メカニズム解明」に繋がる成果が得られている。また、Halo-tagを付与したD-RNAタンパク質をベイトととし、相互作用するタンパク質をプルダウンするシステムを開発したほか、蛍光タンパク質dsRedとD-RNAタンパク質の融合タンパク質発現ベクターを構築した。ウイルスの感染性cDNAクローン化も進めているが、クローン作出は難航しており、工夫が必要となる。以上から、概ね順調に進捗していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
D-RNAタンパク質の細胞内局在性を明らかにするとともに、相互作用する宿主タンパク質を分離精製し、トランスクリプトーム解析の結果を加味しつつ、病原性発現機構の実態に迫る。相互作用する宿主タンパク質の同定はプルダウンを主で行なうが、うまく行かない場合にはYeast two hybrid法やランダムな遺伝子破壊などを用いる。対象が絞り込まれた場合には、遺伝子破壊・相補によりD-RNA病原性への関与を明らかとする。 また、D-RNAが親ウイルスFbLFV1に「干渉」し、ウイルス複製や蓄積量を低下させるDI-RNA分子として負に作用するか明らかにする。この試験は、感染性クローンの樹立を待って行なう予定だったが、クローン化が容易ではない事を受けて、手元にあるFbLFV1単独感染株とFbLFV1+D-RNA共感染株の間で比較することにする。 一方で、引き続き感染性クローンの構築を進める。まずはD-RNAをクローン化し、FbLFV1単独感染株にこのクローンの転写物(人工D-RNA)をレスキューして保持するか試験する。FbLFV1完全長クローンが完成した場合は、F. boothiiや同属異種の病原菌、その他の病原菌に対して接種試験を行なう。
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