Project/Area Number |
23K05248
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39040:Plant protection science-related
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
出崎 能丈 東京理科大学, 研究推進機構総合研究院, プロジェクト研究員 (80711647)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 害虫応答 / エリシター / DAMPs / 受容体キナーゼ / ジャスモン酸 |
Outline of Research at the Start |
植物は害虫の加害時に害虫特有の分子を認識することで防御応答を起動する。さらに、この応答は、害虫による加害によって生じた植物の傷害部位から放出される植物特有の分子が未加害の周辺の細胞で認識されることで、拡散、充足されると考えられる。本研究ではこの植物由来の傷害特異的分子の同定とその植物による認識機構を明らかとすることを目指す。本研究は、植物が元来持つ防御応答機構を活用することで、新規の害虫防除技術開発を目指す基盤研究となる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では我々が先行研究として進めてきた害虫食害時にDAMPとして機能するRALFペプチドならびにその受容体を同定することを主目的としている。 まず、先行研究から関与が示唆されてきたハスモンヨトウ食害時、シロイヌナズナにおいて発現が高まるRALF遺伝子9つに関して、リソースから変異体を取り寄せ、ホモ化を進めてそのハスモンヨトウ食害に対する機能解析を行った。ハスモンヨトウ食害時の体重増加量を指標に評価を行った結果、1つの遺伝子の変異体において野生型に比べてハスモンヨトウの体重増加量が増加したことから、この因子が食害時にDAMPとして機能することが強く示唆された。併せて、小麦無細胞系を用いて調製した9つのRALFペプチドおよび受容体候補であるFERONIAおよびTHESEUSの相互作用をアルファスクリーンによって解析した結果、FERONIAと3つのRALFが、THESEUSと4つのRALFが結合することが示された。いずれの受容体候補とも結合したRALFには、先述した変異体解析から関与が示唆された遺伝子が含まれており、この因子がDAMPとして2つの受容体を制御することが示唆された。 受容体側の機能解析として過剰発現体ならびに複数アリル変異多での評価を計画していたが、作出した過剰発現体は生育異常が見られ断念をせざるを得なかった。このことはこれら2つの受容体が生長制御にも機能していることから、当然の結果と判断した。一方で、FERONIAに関しては異なるアリルの変異体を入手して解析を行った。その結果、先行研究と同様に変異体が虫害抵抗性を負に制御していることが示され、FERONIAの機能が明確になった。この新規変異体は、虫害抵抗性の表現型は維持したまま、既存の変異体よりも生育に与える影響を少なかったことから今後の活用を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に従い、順調に成果を得ている。 次年度に必要となるペプチドの合成などを進めており、今後の研究の加速が期待できる。 一方で、変異体の表現型が複雑であり、DAMPと受容体間の直接的な関係性の理解が難しい状況にある。しかし、当初の計画を変更し2年目初めにRNAseqを用いた応答解析を進めることにしており、研究の進展が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、当初の研究計画を推進する。特に、合成したRALFペプチドを活用した応答解析、ならびに、受容体とDAMPの直接的な制御関係を明らかとすることを目指す。その為に、当初に計画から変更して各変異体を用いたRNAseq解析を実施することにした。この結果から、DAMPおよび受容体が共通して制御する遺伝子を明らかとする。 また、当初の研究計画にもあったRALF/M-RLKの応用基盤の構築に関しては、代表者の所属機関が変更になったこともあり、新所属先の特徴を生かしてより強化して進めていくこととする。
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