Project/Area Number |
23K05274
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39060:Conservation of biological resources-related
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
唐澤 重考 鳥取大学, 農学部, 教授 (30448592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南谷 幸雄 栃木県立博物館, 学芸部自然課, 主任研究員 (70782556)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 土壌動物 / ワラジムシ亜目 / 系統地理 / ワラジムシ類 / ミミズ類 / DNAバーコーディング / 分子系統 |
Outline of Research at the Start |
土壌に生息する動物(土壌動物)は多様性が高い上に、分解者など様々な生態系機能を有することから生物資源として重要であるにも関わらず、十分な分布解析が行われていないため、保護区の設定に際して考慮されることはない。そこで、本研究では、まず、1)分布データ収集の迅速化を目指したDNAデータに基づく種分類法の確立と、それを用いたデータ収集の実践を行う。次いで、2)分布データに基づき日本における土壌動物の多様性の地図化を行い、既存の国立公園などによる土壌動物版保護区の保護効果を評価する。
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Outline of Annual Research Achievements |
日本におけるワラジムシ亜目の分布の地図化を目指し、2023年度は種分類が混乱しているコシビロダンゴムシ科、および、フナムシ属の種分類の再整理を行なった。コシビロダンゴムシ科については、伊豆諸島(8島)を含む139地点から1982個体の標本を採集し、系統解析および形態観察を行なった。その結果、既知の10種が同一種(Spherillo russoi species complex)である可能性が示唆されるとともに、それらは海流分散している可能性が考えられた。また、これまで八丈島でしか確認されていなかったSpherillo punctatusが1000 km以上離れた南西諸島にも生息することが分かった。加えて、関東から伊豆諸島に広く分布するSpherillo dorsalisは地域間でほとんど遺伝的変異が確認されないことから、近年、急速に分布域を拡大させたことが分かった。一方、Spherillo obscrusとVenezillo hasegawaiは関東と伊豆諸島の間で分化したことが分かった。フナムシ属については、日本全域180地点から450個体の標本を採集し系統解析および形態観察を行なった。その結果、Ligia shinjiensisとLigia ryukyuensisが近縁であり、また、形態的にも非常に似ていることから種分類の再検討が必要であることが分かった。また、これまで日本海側にのみ分布するとされていたLigia shinjiensisが、太平洋側にも分布することが分かった。加えて、三宅島の固有種と考えられているLigia miyakensisは広範種のLigia exoticaと同一種である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究グループのメンバー、および、研究協力者らの協力によって全国各地から効果的に標本を得ることができている。一方で、いくつかの動物群では種分類が混乱しており、系統解析や詳細な形態観察が必要であることが分かってきた。
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Strategy for Future Research Activity |
1)2024年度は、海岸において高密度で確認できるタマワラジムシ属、および、草地-森林環境に普通にみられるハヤシワラジムシ属を対象に種分類を整理する。 2)文献データを整理し、既知の分布情報を整理する。加えて、未整理の標本を整理し、日本産ワラジムシ亜目の分布データベースを構築する。 3)分布データベースに基づき、各種の生息適地モデルを作成し、多様性の可視化を行う。
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