Project/Area Number |
23K05335
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 40020:Wood science-related
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
早乙女 梢 鳥取大学, 農学部, 教授 (90611806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
霜村 典宏 鳥取大学, 農学部, 教授 (00250093)
会見 忠則 鳥取大学, 農学部, 教授 (90264928)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | きのこ / 人工栽培 / 子実体形成能 / 培養 / 菌株 / 保存法 / 劣化 |
Outline of Research at the Start |
きのこ種菌の保存法は, ある一定の頻度で劣化し, 子実体形成能が変化する「継代培養法」を基本としてきた. 高い安定性を誇る「凍結保存法」では, 人工栽培を目的とするきのこ種菌に適した保存条件は未検討であり, 子実体形成能が劣化することがある. 本研究では,菌糸体による子実体形成能の簡易検定法の開発,また, 凍結保存法の条件と子実体形成能の保持状況および細胞の損傷具合の関係を精査し, きのこ種菌の安定保存技術の確立を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
初年度である今年度は、迅速で簡便な子実体形成株判別法の確立として、人工栽培ではなく菌糸体を利用した評価技術の開発を目指した。エノキタケ株を含む食用で人工栽培が可能なきのこ種3種と短期間(2週間)の人工栽培が可能な木材腐朽性きのこであるアミスギタケを使用することとし、鳥取大学農学部附属菌類きのこ遺伝資源研究センター保有の上記種菌株子実体形成能および菌株の劣化程度を調査した。また、得られた子実体から単胞子分離を行うことで子実体形成能を欠く株の確立も行った。菌床培地等での人工栽培、菌糸体の核染色と形態的観察から、本研究に供試するきのこ種株の子実体形成能や形成力を明らかにし、脱二核化を含めた菌株の劣化程度を把握した。 次に、先行研究として、栽培用エノキタケ株で確立されている菌株の簡易判別法があるため、それを参考に複数の酸塩基指示薬を用いた培地による菌株評価用培地の実用性評価を実施した。具体的には、菌糸体接種後の培地色調と各株の子実体形成能との関係を調査した。結果、先行研究で確立された酸塩基指示薬を添加した培地について、いずれのきのこ種においても菌糸体接種後の培地色調が反復間で安定せず、子実体形成能・形成力の程度、劣化株の識別はできなかった。また、今回、検討した他の酸塩基指示薬の多くは、培地色調ときのこ菌株子実体形成能に相関がなかった。この理由の一因には、今回の供試株が野生株のみであることが挙げられる。しかし一方で、酸塩基指示薬種によっては、一部の菌種の二核菌株/単核菌株を判別が可能であることが示唆されているため、更なる試験を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本課題では、野生株を試験に供試しているため、栽培用きのこ株と異なる栽培条件を要し、子実体発生試験に数か月の時間を要する株が含まれていた。そのため、計画としては遅れてしまった。また、子実体形成能の簡易判別法の開発については、先行研究の結果と今年度に実施した試験結果に矛盾が認められ、簡易判別法の確立に関する計画が難航していることからも、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
酸塩基指示薬を利用したきのこ菌株の子実体形成能の評価法確立を進めつつも、令和5年度中に未劣化株を使用して継代培養による影響調査に着手した。これにより、継代培養による菌株性状の変化と子実体形成能の損失あるいは形成力低下を比較することで、菌株劣化の兆候を菌糸体から捉える方法も確立する予定である。
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