Project/Area Number |
23K05347
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 40020:Wood science-related
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Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
森川 卓哉 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (00789555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 陽一 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (30634034)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | クロモジ / テルペン / 化学分類 / 分子系統的分類 |
Outline of Research at the Start |
クロモジは香料や生薬の原料として古くから利用されており、中でも日本海側の離島に自生するクロモジは「香り高い」と評されている。しかしながら、これらの地域性を特徴付ける科学的根拠は示されていない。今回、佐渡島のクロモジの極めて特徴的な香気成分を鍵とし、化学的分類手法と分子系統解析を組み合わせた多面的アプローチによって、離島のクロモジがなぜ特徴的な香気成分を持つに至ったのか、その環境適応に果たす役割を探る。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、地理的に隔離された離島に自生するクロモジが極めて特徴的な成分組成を持つことに着目し、化学的分類手法と分子系統解析を併用することで離島における植物の環境適応の過程と含有成分の関係性について明らかにする。 初年度は、日本海側離島とその同緯度帯を含む9地点(新潟県佐渡島2地点、新潟県粟島浦村、新潟県関川村、宮城県丸森町、石川県能登半島4地点)を試験地に設定し、自生するクロモジ(Lindera umbellata)各16個体を選別して枝部及び葉部を採取した。これらを既法で抽出してGC-MS分析に供し、主要なテルペン類に関する定性・定量分析を行った。 また、データ解析にあたってこれまでに蓄積した東日本地域のクロモジの化学分析結果を基に、化学分類(ケモタイプ)の構築を試みた。すなわち、東日本14地域のクロモジ(各地域5個体、枝部/葉部)に含有される主要なテルペン類30種を指標とし、統計的手法(多変量解析:主成分分析、多次元尺度構成法)によって試料間の成分組成類似度を可視化した。結果、枝テルペン類の組成は大きくLinalool型と、trans- Dihydrocarvone型の2グループに分類され、前者は本土地域の個体、後者は佐渡島地点に自生する個体から構成されていた。また、葉テルペン類は大きく5つのグループに分類され、やはり佐渡島地点の個体は本土地域とは異なるグループに分類された。以上より、化学成分によるクロモジの分類指標が示唆されたことから、今後は一連の採取試料に対してもこの指標を適応して比較評価を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一連の研究は順調に進んでおり、特に初年度は当初予定を上回る地点で試料を採取することができた。なお、試料数の増加に伴ってより効率的な研究遂行が必要となったため、初年度に計画していた核DNA抽出実験の予定を変更し、一部の処理を次年度採取試料とともに一括して実施することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は採取した試料の化学分析データを解析し、初年度に策定した指標に基づく化学分類によって各地域のケモタイプを明確化するほか、同試料を用いた遺伝解析を行う。また、東日本のクロモジ自生地から試験地を新たに追加し、より広範な地域での比較評価を計画している。
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