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Elucidation of the genetic and phenotypic diversity of salmonids juveniles concerning biofilm-formation in hatcheries.

Research Project

Project/Area Number 23K05356
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 40030:Aquatic bioproduction science-related
Research InstitutionKitasato University

Principal Investigator

笠井 宏朗  北里大学, 海洋生命科学部, 特任教授 (00221870)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Keywords冷水病菌 / シロサケ稚魚 / リアルタイムPCR / バイオフィルム / シロサケ / 稚魚
Outline of Research at the Start

近年漁獲が低調に推移しているシロサケの増殖のためには健康な稚魚の放流が必須とされている。我々はシロサケ稚魚の代表的な感染症である細菌性冷水病に着目し、孵化場で虚弱な遊泳を示すシロサケ稚魚から分離培養した冷水病菌の遺伝的多様性を明らかにしてきた。7座位の遺伝子に基づくタイピングによって、シロサケ稚魚から分離した冷水病菌株はデーターベースに登録のない遺伝子型の冷水病菌であることを明らかにしている。それらは特徴的な表現型として疎水表面への付着能を持つことから、バイオフィルム形成に注目し、バイオフィルム形成の遺伝的な背景とバイオフィルムにおける微生物間の相互作用を解明し、健康な稚魚生産に貢献する。

Outline of Annual Research Achievements

シロサケ稚魚試験孵化場(釜石市唐丹町)で採取した飼育水中のFlavobacterium psychrophium(以下、冷水病菌)について分子遺伝学的方法による定量解析を行った。通常の掛け流し飼育されていたサケ稚魚15万尾の池出しから放流までの約2ヶ月間に、飼育池の上流及び下流から飼育水を4回サンプリングした。サンプリングのタイミングは、池出しの翌日、稚魚が1g、2から2.5g、4gまで成長した時点とした。飼育には通常のEP飼料に重量比5%の魚油を添加した飼料を使用した。採取した飼育水2Lを孔径0.22μmのフィルターでこしとられた菌体から核酸混合物を調製し解析に用いた。冷水病菌の定量解析には、サケ稚魚試験孵化場から分離培養した冷水病菌及びその類縁細菌約100株のDNA gyrase B遺伝子の塩基配列をもとに冷水病菌の特異的プライマー及びプローブを設計し分析に用いた。リアルタイムPCR法で全細菌及び冷水病菌の変動を分析したところ、飼育水1L中の全細菌は、1.68E+08から2.44E+10コピー、冷水病菌は、1.39E+03から1.19E+05コピーの範囲内で変動した。上流と下流でそれぞれ採取した飼育水では、いずれも下流の方が全細菌、冷水病菌共に存在量が高かったが、全細菌は下流水が上流水の1.68倍から3.44倍であったのに比べて、冷水病菌は下流水が上流水の6.76倍から18.5倍と高かった。全細菌に対する冷水病菌の存在比は、4.61E-06から7.31E-05で変動したが、放流前には1.27E-07まで低下した。投餌量や排泄量が増えたため、他の細菌種が増殖したと考えられる。冷水病菌の存在比が高まった時期に採取した稚魚から、冷水病菌が分離培養されたことから、リアルタイムPCRで得られた結果は飼育環境に感染可能な冷水病菌数を反映していることを示唆している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究課題では、冷水病罹患魚及び飼育環境に由来する冷水病菌の網羅解析(課題1)と、冷水病菌バイオフィルムの解明(課題2)を主な課題としている。
(課題1)については、今年度も新たに冷水病菌4株を採取し、現在MLST解析を実施している(課題1a)。これまで採取した冷水病菌とその近縁種の横断的遺伝子解析によって、冷水病菌特異的プライマー及びプローブを設計し、サケ稚魚飼育環境におけるリアルタイムPCRに適用することができ、ほぼ順調に進捗している。
(課題2)については、進捗に遅れがある。疎水表面付着能を示した冷水病菌のゲノム解析を終了し、現在、疎水表面付着能を示さない冷水病菌のゲノムと比較解析を行っているが、まだ明確な違いを見いだすことはできていない(課題2a)。飼育現場のバイオフィルムに頻出する冷水病菌の採取するために、試験管内で冷水病菌を含むバイオフィルムの再現系の構築に着手した(課題2b)。サケ稚魚飼育水槽から採取した飼育水に冷水病菌の培養のための栄養成分と抗生物質を添加して低温で低速旋回培養を行い微生物フロックの形成を確認している。今後、微生物フロックを構成する微生物相解析を実施する予定である。
課題1、課題2をシロサケ稚魚飼育環境をフィールドとしているが、2023年は秋期にシロサケ成魚の回帰数が激減したことから、試験用の受精卵の確保が困難であった。協力機関である岩手県水産技術センターによって最低限の卵数は確保できたが、試験区を大幅に減らさざるを得ない状況にあるという問題を打開する必要がある。

Strategy for Future Research Activity

本研究課題では、冷水病罹患魚及び飼育環境に由来する冷水病菌の網羅解析(課題1)と、冷水病菌バイオフィルムの解明(課題2)を主な課題としている。
(課題1)については、2023年度に確立した環境中の冷水病菌の定量解析系を使って、サケ稚魚飼育環境における冷水病菌の時間的空間的な動態の解析を進めていく。秋期のサケの回帰尾数が少ない場合に備えて、協力機関である岩手県内水面水産技術センターで、シロサケ以外の飼育水の解析も並行して進める。
(課題2)については、冷水病菌バイオフィルムの再構成系の樹立に注力する。現在進めている飼育水に栄養分と抗生物質を添加して冷水病菌の集積を進める際に、疎水表面の面積を増やすために、例えば疎水表面をもつ多孔質磁気ビースを添加して、磁気ビース表面に冷水病菌と共に付着する菌相の分析系を確立する。
現在順調に進捗している新たな冷水病菌の採取とMLST解析(課題1a)や疎水表面付着能をもつ冷水病菌のゲノム比較解析(課題2a)は論文発表を目指して進めていく。
同時に、得られた冷水病菌に関する治験は、健康なシロサケ稚魚の放流に取り組んでいる岩手県水産技術センターや、岩手県内外のサケ科魚類稚魚生産の技術開発を担っている岩手県内水面技術センターと情報を共有し、研究成果の迅速なアウトリーチに努める。

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report
  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] サケ科魚類の安定生産を目指した細菌性冷水病菌の多様性研究2023

    • Author(s)
      笠井宏朗
    • Journal Title

      アグリバイオ

      Volume: 7 Pages: 73-75

    • Related Report
      2023 Research-status Report

URL: 

Published: 2023-04-13   Modified: 2024-12-25  

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