Project/Area Number |
23K05393
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 40040:Aquatic life science-related
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
岡崎 文美 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (80545228)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | β-1,3-キシラナーゼ / β-1,3-キシラン / 腸内細菌 / 海藻 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、ヒト腸内細菌による海藻多糖β-1,3-キシランの資化機構の解明を目指し、推定β-1,3-キシラン資化関連酵素群の機能解析および遺伝子発現プロファイル解析を行う。本研究成果により、海苔の原料である紅藻類の細胞壁構成多糖をヒト腸内細菌が利用できることが初めて明らかとなり、海藻食とヒトの健康における新たな知見となる。本研究の成果から、未利用海藻資源中のβ-1,3-キシランを新たなプロバイオティクス素材として利用するなどの応用展開も期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ヒト腸内細菌による海藻多糖β-1,3-キシランの資化機構を解明することを目的としている。海苔の原料である紅藻類の細胞壁を構成する主要な多糖類をヒト腸内細菌が全て利用できることが初めて明らかとなり、海藻食とヒトの健康における新たな知見となることが期待できる。また、本研究の成果から未利用海藻資源中のβ-1,3-キシランを新たなプロバイオティクス素材として利用するなどの応用展開も期待できる。 2023年度は、ヒト腸内細菌ゲノム情報から見出した推定β-1,3-キシラン資化遺伝子クラスターに含まれる各遺伝子がコードするタンパク質の機能解析に取り組んだ。Bacteroides 属細菌由来の2種類の分泌型β-1,3-キシラナーゼおよび菌体内β-1,3-キシロシダーゼについて、酵素化学的諸性質を明らかにし、既報の海洋性細菌との比較を行った。まず各酵素のβ-1,3-キシランに対する作用性を明らかにした。次いで、3酵素を同時にβ-1,3-キシランに作用させ、その分解様式を解析した。その結果、分泌型β-1,3-キシラナーゼおよび菌体内β-1,3-キシロシダーゼは共に既報の海洋性細菌と比較して高い耐熱性と触媒効率を有することが明らかになった。2種類の分泌型β-1,3-キシラナーゼが菌体外でβ-1,3-キシランを2糖であるβ-1,3-キシロビオースまで分解した後に、菌体内β-1,3-キシロシダーゼが単糖であるキシロースまで分解し、資化していることが明らかとなった。 これらの結果は、ヒト腸内細菌が海藻特有の多糖であるβ-1,3-キシランの資化能力を有していることを示す初めての知見である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度の主要な目標としたβ-1,3-キシラン資化遺伝子クラスターに含まれる遺伝子がコードする酵素のうち、2種類の分泌型β-1,3-キシラナーゼおよび菌体内β-1,3-キシロシダーゼについて、大腸菌タンパク質発現系により可溶性タンパク質の生産に成功した。それらタンパク質は、想定していた通りβ-1,3-キシランに対する加水分解活性を示した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の研究成果から、2種類の分泌型β-1,3-キシラナーゼが菌体外でβ-1,3-キシランを2糖であるβ-1,3-キシロビオースまで分解した後に、菌体内β-1,3-キシロシダーゼが単糖であるキシロースまで分解し、資化していることが明らかとなった。その中で、2種類の分泌型β-1,3-キシラナーゼが異なる分解様式を示すことが新たに明らかとなった。これまでに報告が無い知見であったため、次年度以降はこれら2種類の酵素の立体構造比較を行い、分解様式の差を生じる構造的要因を解析する。また、当初研究経過に従って、β-1,3-キシランを用いたBacteroides属細菌の培養を行い、その資化能力を解析する。
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