Project/Area Number |
23K05455
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41030:Rural environmental engineering and planning-related
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
相原 星哉 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, 研究員 (70845841)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 農業用ダム / 事前放流 / アンサンブル降雨予測 / 機械学習 / アンサンブル降雨予報 |
Outline of Research at the Start |
農業用ダムの事前放流による洪水調節効果は、ダムの放流能力による制約から小さいものも多く、その効果を向上させるには、一週間程度先までの降雨予測に基づき、早期からの事前放流を実施することが重要である。本研究では、気象庁週間アンサンブル予報に機械学習モデルを適用することで、予測時間の長さ等によるアンサンブル予報値のばらつきにも頑強で、農業用ダムにおける事前放流の早期実施を支援可能な降雨予測技術を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は,①週間アンサンブル予報の降雨予測精度の検証と②機械学習を用いた降雨予測モデルのプロトタイプの構築を行った. ①では,2008年~2019年に配信された予報値と,同期間の降雨観測値(レーダーアメダス解析雨量)を用いて,降雨量の積算期間や対象流域の面積,分析する気象要因等の条件を変えながら両者を比較し,降雨予測精度について評価した.降雨量の積算期間については,日雨量よりも3日間雨量を用いたほうが,予測の時間的なずれを打ち消して,予測値と観測値の相関が高まるという結果が得られた.流域面積との関係については,ダム流域よりも水系や地方領域単位など,大規模な流域を対象としたほうが,予測値と観測値の相関が高まることが分かった.気象要因別の分析では,台風の事例では予測精度が高い傾向にあるなど,降雨要因別に予測精度には差があることが分かった. ②では,①の検討を踏まえて,地方単位の大規模な領域から,自己組織化マップを用いた降雨予測モデルの構築を開始した.モデルの入力変数には,アンサンブル予報値の3日間雨量のばらつきを表す統計値を与えた.その結果,アンサンブル予報値のばらつきの特徴に基づいて,過去の降雨イベントをクラスターに分類可能なモデルを構築することができた.一方で,クラスター内には複数の気象要因のイベントが混在する結果となり,気象要因の分類精度には課題が残った.また,それに起因してリードタイムが伸びるほどにモデルの降雨予測精度が低下した.次年度には,降雨の時系列や予測更新に伴う予測精度の改善履歴に関する特徴量を入力変数に加えて気象要因の分類精度の改善を図るとともに,小規模流域に適用するためのモデル改良を行う.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
過去に配信された予報値を用いた統計的な解析によって,週間アンサンブル予報の予測値が持つ時空間的な誤差の特性や,気象要因の違いによる予測特性について評価できた.また,その分析結果を活用し,自己組織化マップを用いた降雨予測モデルのプロトタイプを構築できた.そのため,本課題は順調に進捗している.
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Strategy for Future Research Activity |
構築したモデルのプロトタイプは,気象要因の分類に課題があり,それに起因してリードタイム延長に伴う予測精度低下への対処にも課題が残された.2024年度には,降雨の時系列や予測更新に伴う予測精度の改善履歴を表現した入力変数を追加するなど,気象要因の分類精度向上のための検討を行う.また,小規模なダム流域にモデルを適用すると,予測の空間的なずれの影響が増大することが予想されるため,空間的なずれに対処するための入力変数の追加も検討し,モデルの高度化を行う.
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