デジタルツインを活用した耕うん現象の新解析手法の提案
Project/Area Number |
23K05468
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41040:Agricultural environmental engineering and agricultural information engineering-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡安 崇史 九州大学, 農学研究院, 教授 (70346831)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 耕うんシミュレーション / 個別要素法解析 / 耕うん実験 / 切削・投てき挙動 / トルク / 所要動力削減 / デジタルツイン / 所要動力削 減 / 作業機の高寿命化 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、耕うん作業時の土壌の切削、破砕、攪拌、投てき、反転等の力学的挙動と土壌と作業機との力学的相互作用を同時かつ現実的に予測できる3次元解析手法の開発と、各種作業条件下での高精度な耕うんシミュレーションの実施により、耕うん作業の最適化・高度化、所要動力削減による省エネ化、作業機の高寿命化等に寄与する新たな設計理論を構築することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,耕うん作業時の土壌の切削,破砕,攪拌,投てき,反転等の挙動と土壌と作業機の力学的相互作用を同時かつ高精度に予測しうる3次元解析手法の開発と各種作業条件下での精緻な耕うんシミュレーションの実施により,耕うん作業の最適化・高度化,所要動力削減による省エネ化,作業機の高寿命化等に資する新たな設計理論を構築することを目的としている. 本年度は,ロータリ耕うん時の土壌の破壊・投擲現象を個別要素法(以下,DEM)により解析し,その結果について評価を行った.土粒子同士間接触には弾粘塑性接触モデルを採用した.粘性土層モデルに3D CADで作成したロータリ耕うんモデル(4本の耕うん爪,爪ホルダおよび回転軸から構成)を作用させて耕うん現象を再現した.耕うん時の作業条件は,耕深を130 mm,前進速度を0.3 m/s,軸回転数を150,300,450 rpmの3水準とした.解析終了後,投てき・飛散された土塊の位置情報を出力し,土塊の個数や各土塊の構成粒子数を調べた. 以上の解析の結果,回転数増大に伴い土塊の細粒化と後方・上方への土塊の投てき性能が増加する点を確認できた.飛散土塊に対するクラスタ分析の結果,回転数150 rpmでは4個,300 rpmでは13個,450 rpmでは15個の土塊が確認された.このように回転数の増加に伴い,切削された土塊が爪との再接触によって細分化されていく様子を解析できることを示した.加えて,ロータリ爪との接触荷重および接触状態の評価により,ロータリ爪の接触・すべり現象の解析も行えることがわかった. 一方,ロータリ爪による土の切削・投てき作用を調べる実験を行った.同実験では1本のロータリ爪が土表面に接触して,土が切削・投てきされる際の耕うん軸トルクを計測した.その結果,土切削時のトルク波形は実測値と解析値に良い一致が認められ,DEM解析結果の妥当性を実証できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は,DEMを用いたロータリ耕うん現象の再現と解析結果の妥当性の評価を行うことを目的としていた.本年度の成果として,実験と解析により得られた耕うん軸トルクに良い一致が確認されたことにより,作成したDEM解析モデルの妥当を実証でた.本結果から当初の目的は概ね達成できていると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,まず,切削および投てきの様子を実験と数値解析の両面から検討することで,DEM解析モデルの予測精度の向上を図っていく予定である.加えて,実験では,高速度カメラと無線慣性センサを用いた切削・投てき土塊の計測および可視化を進める.これらの実施により,実験と理論の両面から耕うん現象を解析・評価できるデジタルツイン環境構築の足がかりとする. 具体的には,様々な条件下で実施した耕うん実験の結果と同条件を想定したDEM解析の結果を耕うん軸トルクおよび切削・投てき土塊の飛散特性から総合的に評価し,DEM解析精度を検証する. 同検証結果が妥当であると判断された場合には,ロータリ爪と土粒子との力学的相互作用,特に,摩擦すべり現象の評価を開始する予定である.ロータリ爪への土の付着特性(位置,分布等,実験・数値解析),土粒子と爪との接触力とその経時的変化の追跡(数値解析)により,ロータリ爪表面の摩擦現象について把握を試みる.同結果を用いて,摩擦接触モデルによる摩耗特性の検討に繋げていきたいと考える.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)