| Project/Area Number |
23K05474
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 41040:Agricultural environmental engineering and agricultural information engineering-related
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| Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
坂本 勝 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (90446378)
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| Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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| Keywords | 塊根 / 光 / ニンジン / アントシアニン / サツマイモ / 根圏環境 / 光照射 / 水耕栽培 |
| Outline of Research at the Start |
植物の根部は土壌中に存在するため、常に暗黒下におかれており、光環境は制御不能である。しかし、これまでにニンジンの塊根を気中にさらして植物が正常に生育する水耕栽培装置を開発した。本研究では、この装置を改良して、LED光を塊根部のみに照射可能にする。次に、改良した装置を用いて、青色光をはじめ、様々な波長の光を塊根部に照射してニンジンの生育や塊根成分に与える影響を調査する。また、塊根の光応答シグナルや品種間差異についても調査する。これらの知見は、植物根の光に対する新たなポテンシャルを見出すこと、そして未来の農業生産システムに貢献できる成果になると考えている。
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、通常光が当たらない植物の根部に対し、『根部光照射装置を開発し、光を照射しながら栽培する』ことで生じる生理学的および形態学的な変化を解明することである。本研究では、根を可食部とする根菜類、特にニンジンを中心に実験を実施した。2023年度には、主にニンジンにおける根部光照射装置の開発を行い、2024年度には、この装置を用いたLED光照射実験を本格的に開始するとともに、サツマイモへの応用研究にも取り組んだ。 ニンジンに対する光照射実験では、青色LEDを用いてその影響を調査した。播種後35日間の水耕栽培を経たニンジンを光照射装置に移し、7日間栽培を継続した。播種42日後から塊根への青色LED照射を開始し、経時的な観察を行った。その結果、照射開始2日後から塊根表皮に赤紫色の着色が認められ、照射期間21日間を通じて着色が進行した。一方、照射21日後の塊根断面を観察したところ、表皮および皮層外側に赤紫色の着色が確認された。また、皮層内側には薄い緑色の着色も認められ、青色光による葉緑体形成が示唆された。なお、光照射は地上部および塊根の生育に対して顕著な影響を与えなかった。現在、青色光以外の波長の光の影響についても調査しているところである。 サツマイモの試験は屋外条件下で実施したため、LEDの代わりに太陽光の約1/20の光を透過するプラスチック段ボール(プラダン)を装置上部に配置し、栽培中の塊根へ光を照射した。その結果、光照射によりサツマイモ表皮の赤色が薄くなり、塊根の肥大が抑制された。また、収穫時の調査では、塊根表皮下の皮層にクロロフィルの蓄積が確認された。 以上の結果から、根部への光照射が塊根の色素形成や生育に及ぼす影響が明らかとなった。本研究は、根部の光応答機構の解明に寄与するとともに、新たな栽培技術の開発に資する知見を提供するものである。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、研究計画のロードマップに基づき、①根部光照射装置の開発および②青色光照射が与える影響の調査の2つの課題について計画を立案し、実施した。①については、3種類の根部光照射装置を試作・検討した結果、根圏環境を塊根の肥大に適した状態に保ちつつ、光を照射できるとともに藻の発生を抑制可能なシステムを開発した。現在、この確立した装置を用いて研究を進めており、改良を重ねて、塊根光照射に最適な装置となっている。 ②青色光照射が与える影響の調査については、2023年度および2024年度にわたって実施する計画であった。2024年度の段階で、青色光照射によるアントシアニンやクロロフィルの蓄積が確認され、その局在や蓄積段階において、新たな知見が得られた。③照射波長の違いが与える影響について、青色光の他に、赤色光と緑色光を用いて現在実験を進めている。さらに、当初のロードマップには含まれていなかったが、サツマイモに対する光照射実験も追加で実施し、ニンジンとは異なる塊根光照射による影響を確認した。この結果については、すでに学術論文として報告した。
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| Strategy for Future Research Activity |
2023年度に開発したニンジン塊根への光照射装置を用いて、さらなる研究を推進する。まず、研究計画ロードマップに基づき、2024年度に確認された青色光照射によるニンジン塊根のアントシアニンおよびクロロフィル蓄積現象について、成分の定量分析を行い、光照射による影響を詳細に調査する。同時に、塊根や地上部の生育に及ぼす影響についても詳しく解析する。 また、③照射波長の違いが与える影響の調査についても研究を推進する。具体的には、青色光に加えて緑色光および赤色光のLEDを用いた照射実験を実施し、アントシアニン、フェノール類、カロテンなどの成分変化を測定するとともに、塊根や地上部の生育への影響を評価する。さらに、各種LEDを塊根に照射後、その形態的変化、塊根成分の変化、地上部を含めた生育の影響を詳細に解析する。 ④エチレンシグナルの解析については、塊根へのエチレン阻害剤の適用に関する予備実験で顕著な影響が確認されなかったため、他の実験を優先して進める方針である。⑤品種の違いが与える影響の調査については、③の実験が完了次第、実施する予定である。
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