全果実温度計測が実現する高確度な収穫時期予測と高効率化な施設園芸
Project/Area Number |
23K05475
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41040:Agricultural environmental engineering and agricultural information engineering-related
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Research Institution | Nagasaki Institute of Applied Science |
Principal Investigator |
佐藤 雅紀 長崎総合科学大学, 工学研究科, 教授 (10709067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 和男 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 教授 (10291527)
安 鍾賢 広島工業大学, 工学部, 講師 (60817104)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | サーモグラフィ / 非接触計測 / 画像処理 / 物体認識 / 収穫時期予測 / スマート農業 / 農業ロボティクス / 農業情報システム / リモートセンシング |
Outline of Research at the Start |
農業分野は深刻な労働力不足であり、特に収穫作業は労力と作業時間を要するためロボットの導入がすすめられている。そのためには、ロボットを長時間稼働させ作業量を確保するだけでなく、収穫時期を的確に判断し作業の質を向上させる必要がある。そこで本研究では、着果から収穫までの必要積算温度が種によってほぼ一定であるトマトに着目し、果実一つ一つの温度を継続的に計測することで収穫時期を高確度で予測する技術を確立する。これらの作業は人間には難しく、むしろ非効率となる計測作業をロボットで実現し、収穫時期を機械学習で予測する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、トマトの着果から収穫に至るまで果実一つ一つの温度計測を実現し、収穫時期を高確度で予測する。そのために、A)サーモグラフィで得た温度分布と、カラー画像から果実位置を推定する手法を組み合わせることで果実一つ一つの温度計測が可能か? B)長期多段栽培における誘引作業によってずれるトマト果実の位置を自動で補正し、着果から収穫まで継続的に果実の温度計測が可能か? C)蓄積した温度情報から果実一つ一つの収穫時期を高確度で予測することが可能か? の3項目を明らかにする。 初年度に取り組む具体的な内容は、(1)サーモグラフィとカメラから構成させる計測システムを試作する。(2)誘引作業によってトマト果実の位置が変化するため、変化に応じて計測システムの位置を変更するロボットアームを試作する。(3)この試作機を用いて短期的なデータの収集をする。(4)誘引作業の前後で変化した果実一つ一つを対応付ける手法を開発する。(5)計測システムの防水加工および防水防湿試験を実施する。 研究実績は、(1)について計測システムを試作した。また研究分担者の情報から市販の計測装置を購入し、試作したシステムと比較した。市販の計測システムは手軽にデータを取得できる一方で、収穫時期を予測するためのデータを蓄積し解析する点で課題が多いため、試作したシステムの方を採用することにした。(2)について、市販のロボットアームを比較検討し、本研究で開発する画像処理システムと相性が良いロボットアームを購入、3Dシミュレーションによる動作確認まで完了した。(3)および(4)について、果実一つ一つを深層学習で認識するところまで達成しているが、巨大なパノラマ画像に写った果実の認識率が低いという新たな課題が得られた。日々成長する生体に対して安定して計測可能な画像処理を開発する必要がある。(5)については手法の検討までとなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の課題の一つとして、トマト栽培において、トマトの成長に応じて誘引作業が発生する。この誘引作業によってトマトの房の位置が変化するため、誘引作業の前後でトマトの房の特定、果実を特定する技術が必要となることが分かっていた。 研究計画段階では、栽培施設内の畝ごとに巨大なパノラマ画像を生成することで、誘引前後でのトマトの房の位置の変化が明らかになり、特定が容易になると考えていた。トマト果実一つ一つを認識する深層学習のモデルは構築済みであるため、巨大なパノラマ画像を生成しモデルを適用したところ、果実の認識率がかなり低い結果となった。 そこで計画にはなかった課題として、巨大なパノラマ画像においてもトマト果実を認識できる手法の開発が必要となり、当初は初年度に予定していた防水加工よりも優先して取り組むことにしたため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画段階では、二年目は、計測システムおよびロボットアームを改良しつつ、計測システムおよびロボットアームを複数台開発し、運用する。誘引作業で変化した果実の位置を一つ一つ対応付けて、短期的な収穫時期の予測に取り組む予定となっている。 まずは、初年度から繰り越した計測システムを防水加工し、防水防湿試験を実施する。次に、研究計画段階ではなかった課題の巨大なパノラマ画像においてもトマト果実を認識できる手法の開発に取り組む。房を認識してから果実を認識する二段階の方法を予定している。その他、果実を認識した後に巨大なパノラマ画像を生成する方法も性能評価する。その後、複数台の計測システムで、短期的な収穫時期の予測に取り組む。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)