Project/Area Number |
23K05488
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41050:Environmental agriculture-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮沢 佳恵 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (40370613)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 木質バイオマス / 環境保全型 / 有機農業 / 糸状菌 / 野菜栽培 / 木質有機物 |
Outline of Research at the Start |
木質系有機物を施用して耕地土壌中の腐生菌(植物遺体などの有機物を分解する微生物)が増えると、土壌の団粒化の促進、炭素貯留の増加そして病害抑制など、作物栽培を行う上で様々な効果があることがわかってきている。実際に、日本、フランス、アメリカ、ブラジル等の農家が、木質系有機物を耕地に大量に投入して栽培する農法をそれぞれ独自に開発し、栽培を行なっている。しかし「木質系有機物を施用し腐生菌を増やして栽培する」という栽培技術そのものについての有効性の検証は行われていない。そこで、本研究では土壌の微生物解析から野菜の品質までさまざまな項目を網羅的に複数の圃場で解析し、その効果やメカニズムの検証を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
木質系有機物を施用して耕地土壌中の腐生菌(キノコやカビなど、植物遺体などの有機物を分解する微生物)が増えると、土壌の団粒化の促進、炭素貯留の増加、養分の系外への流出防止、土壌病害の抑制、作物の生育・品質の増加などの様々な効果があることがわかってきている。実際に、日本、フランス、アメリカ、ブラジル等の農家が、木質系有機物を耕地に大量に投入して栽培する農法をそれぞれ独自に開発し、栽培を行なっている。しかし学術的にわかっているのは、木質系有機物を施用すると腐生菌バイオマスが増加することや、腐生菌バイオマスが増加すると耐水性の団粒が増加するといった個別の現象のみであり、「木質系有機物を施用し腐生菌を増やして栽培する」という栽培技術そのものについての有効性の検証は行われていない。そこで、当該年度はその効果やメカニズムの検証のため、圃場試験を土壌条件や履歴の異なる圃場3箇所で行った。 つくば市の試験圃場においては、木質系有機物の投入によって糸状菌バイオマスが増え、細菌のバイオマスは変化しなかった。八王子市の耕作放棄地を開墾した圃場では、斜面で乾燥が激しく、木質系有機物の分解がほとんど進まず、糸状菌バイオマス、細菌バイオマス共にほとんど増加しなかった。北杜市の有機圃場では木質系有機物の投入の有無、またマルチを使った水分条件の違いにより、糸状菌の種類の組成に変化が見られた。また、糸状菌が増えた処理では、糸状菌を餌にする土壌動物が増えて無機態窒素が供給される可能性や、土壌動物の多様性が高いところでは虫害が減る傾向などが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた遠隔地での圃場試験も含めた圃場試験と、補助的にポット試験も行った。また、UAE Universityに有機物やバイオ炭施用における畑における微生物の役割について意見交換で招聘され、現地の圃場の視察や研究発表を行なった。
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Strategy for Future Research Activity |
土壌や環境条件の違いによって資材投入後の土壌微生物の反応に大きな違いが見られることがわかったため、さまざまな地域の木質系バイオマスを用いた栽培を行っている農家圃場から土壌をサンプリングし、糸状菌及び細菌のバイオマスの変化を調査し、その傾向を解析する。
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