Project/Area Number |
23K05499
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41050:Environmental agriculture-related
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Research Institution | Niigata Agro-Food University |
Principal Investigator |
浅野 亮樹 新潟食料農業大学, 食料産業学科, 准教授 (20646137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 敦 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (10450280)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 硫黄酸化細菌 / 微生物群集構造 / コンポスト処理 |
Outline of Research at the Start |
生ごみや家畜排せつ物をたい肥、いわゆるコンポストにするための処理過程において、硫黄酸化は物質循環と悪臭抑制の上で重要であるにもかかわらず、これを担う硫黄酸化細菌の生育特性や機能性については不明な点が多い。そこで実際に稼働しているコンポスト処理過程の微生物群集について、網羅的な硫黄酸化細菌の群集構造を種レベルまで分類し、生育特性と基質利用性および脱窒への関与などの機能性を決定することが本研究の目的である。本研究はコンポスト処理過程における硫黄酸化細菌の生存戦略を解明し、高温・高pH・高塩濃度の極限環境からの新規硫黄酸化細菌分離と、悪臭となる硫化物を抑制する処理条件決定に必ずや貢献する。
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Outline of Annual Research Achievements |
コンポストは微生物による分解を経た有機物を含む肥料/土壌改良材である。コンポスト処理は生ごみや家畜排せつ物など、処理に多量のエネルギーが必要な廃棄物を、より少ないエネルギーで作物栽培に有用な資材へと変換することができるため、廃棄物のリサイクルのみならずエネルギーの節約にも有用であり、持続可能な社会実現のため重要かつ有望な技術である。処理過程では微生物の活動によって、内部は70℃以上の高温となり、寄生虫や雑草種子は殺滅されるが、一方で悪臭物質の揮散も促進される。排せつ物などに含まれる含硫アミノ酸が微生物によって分解されると、硫化水素などの硫化物が発生、空気中に揮散し悪臭の原因となる。また硫化物は硫酸まで酸化されなければ再び植物に吸収されない。 環境中の硫黄酸化を担う原核微生物群集は硫黄易酸化細菌と呼ばれている。硫黄酸化細菌は硫化物を硫酸に酸化し、一部は嫌気条件下で硫黄酸化と共役して脱窒を行い、肥料成分として重要な窒素の循環にも関与する。そのため硫黄酸化細菌はコンポスト処理過程に限らず、環境における物質循環の観点から非常に重要である。しかし環境中の硫黄酸化細菌の群集構造の解析は様々な問題から進んでいない。 本研究では廃水処理施設の硫黄酸化細菌群集について種・株レベルの分類を行い、生育的な特徴まで踏み込んだ解析を行っている。本年度の研究では、研究対象となる堆肥処理施設を選定しサンプリングを行うとともに物理化学的特徴についての測定も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は「身近にある極限環境」として堆肥化過程の硫黄酸化細菌に注目している。堆肥化過程において温度は70 ℃以上、pHは9.0以上、電気伝導度は 5 mS/cm(一般的な農地土壌の10倍以上)に達し、これらは処理過程を通し大きく変化する。しかしこれらの変化、特に温度の上昇と高温期間の持続は堆肥の原料、処理方法に大きく依存する。そのため本研究ではまず十分な高温期を有する堆肥処理過程を検索した。結果、最高温度が73.4℃に達する処理施設を見つけ、ここから資料の採取を行った。採取した45試料の内、19試料が温度60度以上の箇所から採取された。これらについて、採取箇所の温度を試料採取時に計測し、採取後速やかに乾物率の測定を行った。さらに一部からDNA抽出を行い、遺伝子解析のため保管した。またさらに他の一部を風乾し、化学分析のために保管した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度中に採取した全ての資料について、抽出したDNAを鋳型にして16S rRNA遺伝子の増幅を行い、各試料の配列を決定する。これらの配列データを用いてドメインや門レベルの分類、群集構造の比較など基礎的な微生物群集構造解析を行ったのち、最終的な目的である生育特性にまで踏み込んだ硫黄酸化細菌の群集構造の解明のための分析を行う。また並行して研究分担者により物理化学的特性の決定を行う。
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