Project/Area Number |
23K05532
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42020:Veterinary medical science-related
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 洋介 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任研究員 (50912549)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 貴之 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (40447363)
加藤 大貴 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任講師 (60843216)
酒居 幸生 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 講師 (90844192)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | 犬腫瘍 / HER2 / 犬 / 膀胱癌 / 抗体療法 |
Outline of Research at the Start |
悪性腫瘍(がん)は人と同様に犬においても死亡原因の第1位となっている。とくに犬の膀胱癌は、テリア系犬種など本邦で飼育頭数の多い小型犬種で好発する。犬の膀胱癌は比較的、転移率が高いため、外科手術や抗がん剤、分子標的薬などを組み合わせた集学的な治療が適応されているが、根治に至る症例は少なく、予後の悪い犬の腫瘍の一つである。 そこで本研究では、犬膀胱癌症例に対する新たな全身療法として、抗体療法の確立を目指した検証に取り組む。具体的には、犬膀胱癌において過剰発現が報告されているHER2と呼ばれる標的分子に対して、申請者らが有する研究ツールを用いた検証実験を行い、抗体療法を開発する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、HER2を過剰発現する犬膀胱癌に対する抗HER2抗体薬物複合体(T-DM1)の抗腫瘍効果について前臨床研究にて明らかにし、臨床例における検証を目指す。 今年度は犬膀胱癌細胞株4株(Nene, TCCUB, Love, Sora)に対する抗HER2抗体薬物複合体(T-DM1)添加時の増殖アッセイ(WST8アッセイ)を行い、全ての細胞株において、抗HER2抗体薬物複合体(T-DM1)の添加により増殖抑制効果が得られることを明らかにした。全ての細胞株において、最低濃度5ug/ml添加により有意な増殖抑制を認め、10,15,20ug/mlと添加量を増やすことで、濃度依存的な増殖抑制効果が得られることを明らかにした。さらにそれら抗腫瘍効果の機序について、犬膀胱癌細胞株に抗HER2抗体薬物複合体(T-DM1)添加後の細胞検体を用いて、アネキシンVおよびPIを用いたアポトーシスアッセイ、PIを用いた細胞周期アッセイをFACS法にて実施した。その結果、抗HER2抗体薬物複合体(T-DM1)の添加により、アネキシンVおよびPI陽性細胞の増加を確認し、アポトーシス誘導が生じていることを明らかにした。以上より、犬膀胱癌細胞株内に抗HER2抗体薬物複合体(T-DM1)が取り込まれ、チューブリン阻害薬であるDM1によりアポトーシスが誘導されたことが推測され、in vitroにおける犬膀胱癌に対する抗HER2抗体薬物複合体(T-DM1)の抗腫瘍効果が実証された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
犬膀胱癌細胞株4株に対する抗HER2抗体薬物複合体(T-DM1)添加時の増殖アッセイにて全ての細胞株において、抗HER2抗体薬物複合体の添加により増殖抑制効果が得られることを明らかにできたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
犬膀胱癌細胞株4株に対する抗HER2抗体薬物複合体(T-DM1)添加時の増殖アッセイにて、増殖抑制効果を示せたことから、今後は、in vitroにおける詳細な機序の検証およびin vivoマウスモデルにおける検証、実験犬における検証を進めていく。具体的には、抗HER2抗体薬物複合体(T-DM1)の細胞内への取り込みについて検証を行う。また、犬膀胱癌細胞株を移植したヌードマウスへの抗HER2抗体薬物複合体(T-DM1)投与を行い、腫瘍径の変化を観察し、摘出腫瘍組織における抗腫瘍機序の検証を行う。実験犬への抗HER2抗体薬物複合体(T-DM1)投与を行い、最適な投与量の検証を行う。
|