Project/Area Number |
23K05533
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42020:Veterinary medical science-related
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
オブライエン 悠木子 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (20582464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 早苗 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (20588917)
堀江 真行 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 教授 (20725981)
岸本 海織 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (50588960)
本田 知之 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (80402676)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | トリボルナウイルス / siRNA / 中枢神経系 / アヒル胚由来初代神経培養細胞 / PaBV2 / PaBV4 / 核酸医薬 / オウム / ウイルス |
Outline of Research at the Start |
トリボルナウイルス(ABV)感染症は鳥で中枢神経症状及び消化器症状を示し致死的で、確立された治療法や予防法がない。そこで、オウム類におけるABV感染症の治療法を確立することを最終的な目標とし、ABV複製阻害効果のあるsiRNAを選抜し、細胞におけるABV複製阻害と神経保護に対するsiRNAの効果を評価する。最終的に、ABV感染動物実験系にて治療の有効性を評価し、siRNAが オウム類のABV感染症に治療効果を示すかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
トリボルナウイルス(ABV)は神経指向性を示す近年新たに見つかった新興ボルナウイルスである。ABV感染症は鳥で中枢神経症状及び消化器症状を示し致死的で、確立された治療法や予防法がない。オウム類におけるABV感染症の治療法を確立することを最終的な目標とし、ABV複製阻害効果のあるsmall interference RNAsiRNAをABV持続感染細胞にて選抜し、動物実験の代替としてアヒルの胚由来初代神経培養細胞を用いたABV感染実験系にて生体に近い状況での神経細胞におけるABV複製阻害と神経保護に対するsiRNAの効果を評価する。 ABVの遺伝子型PaBV-2(IH-1株)とPaBV-4(BENI株)の、Nucleoprotein (N), Phosphoprotein (P), Matrix protein (M), Large protein (L)領域に対してそれぞれsiRNAを設計した。これらのsiRNAをABV持続感染ウズラ株化細胞であるQT-6-IH-1とQT-6-BENIにRNAiMAXを用いてトランスフェクションし、トリボルナウイルスのウイルス量の経時的変化を定量リアルタイムPCR系を用いて測定した。先ず、Nに対するsiRNAを用いて、siRNAの単回投与によるABV発現量の変化を調べた。ネガティブコントロールであるHilyteを1としたとき、ウイルス量の変化は認められなかった。次に、siRNAの複数回投与によるABV発現量の変化を調べた。Nに対するsiRNAを2種(N1, N2)用い、N1単独投与とN1とN2の混合投与を行なった。その結果、ウイルス量の減少傾向が認められた。 また、アヒルの胚由来初代神経培養細胞の作成を、ABV感染に望ましい条件に最適化した。10日齢のアヒルの胚の脳を材料とし、細胞の播種密度、培養液、サプリメント、ボルナウイルスの複製を阻害しない分裂阻害剤を用いて分裂阻害剤添加濃度を検討した。その結果、細胞は培養後少なくとも9日まで美しい神経細胞の形態を維持して培養することができ、またCalceinAMを用いた細胞活性の評価でも生細胞であることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ABVの遺伝子型PaBV-2(IH-1株)とPaBV-4(BENI株)に対して、siRNAが効果を示す可能性があることをin vitroでの実験で示した。また、単独のsiRNAよりも複数のsiRNAを混合した方が効果が高い可能性を示した。 また、アヒルの胚由来初代神経培養細胞の作成を、ABV感染に望ましい条件に最適化することができ、今後の実験の基盤となる材料を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
siRNAの効果を明瞭なものとするため、試行回数を増やし統計処理を行う。 アヒルの胚由来初代神経培養細胞にABVを感染させ、siRNAによるABV複製阻害効果を調べる。 また、QT-6細胞は脆弱な細胞であり、今年度行ったトランスフェクションの方法では細胞へのダメージが強かった。QT-6細胞やアヒル初代神経へのダメージの少ない方法を、トランスフェクション試薬を他のものにするなどの方法で探る必要がある。
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