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ファージ由来溶菌因子応用した鶏大腸菌症特異的な制御法の開発

Research Project

Project/Area Number 23K05555
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 42020:Veterinary medical science-related
Research InstitutionTottori University

Principal Investigator

尾崎 弘一  鳥取大学, 農学部, 准教授 (80396332)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2027-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Keywordsバクテリオファージ / エンドリシン / 鶏大腸菌症
Outline of Research at the Start

近年多剤耐性化した原因大腸菌の出現により化学療法のみの鶏大腸菌症制御に限界があることが判明した。バクテリオファージは細菌に特異的に感染・溶菌を引き起こす。そこで本研究では溶菌を起こすファージの溶菌に関連する因子を取り出して応用する方法を構築する。ファージの保有する「溶菌を起こす因子」が大腸菌のようなグラム陰性菌の外部からの投与で選択的溶菌を起こす「新たな抗菌薬」としての可能性を探索するとともに、M13ファージを用いて溶菌関連因子を標的菌体内に導入するために、標的宿主特異的に感染するように改変した「レセプター特異性改変型」M13ファージの確立を目指す。

Outline of Annual Research Achievements

2023年度は「小課題1:実験室ファージ株エンドリシン発現系構築と溶菌活性」に取り組んだ。当該研究室で保有しているλファージの溶菌関連因子であるホリン、エンドリシンおよびホリン―エンドリシンの連続した領域をそれぞれクローニングし、pUC119プラスミドにクローニングした。各遺伝子はlacプロモーターの下流にタンパク発現時のコドンを合わせて挿入した。構築した各プラスミドは大腸菌DH5α株に導入した。プラスミドを導入した各菌株を一定数増殖させIPTG(終濃度1mM)の添加の有無による溶菌活性を評価した。結果、IPTG添加した条件においてホリンまたはエンドリシンのみの発現では大腸菌の溶菌は観察されなかった。一方、ホリン―エンドリシンが同時に発現する大腸菌に溶菌活性が観察された。つまりλファージのエンドリシンは菌体内に同時に発現するホリンの内膜貫通作用を経てペリプラズム内のペプチドグリカン層を加水分解することが確認された。この実験で発現させたエンドリシンを精製・濃縮後、大腸菌外から投与したところ、菌体の溶菌は観察されなかった。エンドリシンを菌体の外膜側から導入するには更なる改良ならびに条件検討が必要であることが判明した。
続いてエンドリシンのコード領域の直前にM13ファージ由来のgene III膜輸送シグナルを付加した「改変エンドリシン」の発現系を構築した。前述と同様の試験を実施した結果、この「改変エンドリシン」のみの発現で大腸菌の溶菌を誘発することが確認された。
上記で溶菌が確認されたプラスミドをM13ファージ粒子内へ取り込ませ(シュードファージ構築)、スポットテストにより評価した。溶菌を起こす系のみ溶菌斑が観察されたため、今年度構築した溶菌系をファージ経由で大腸菌に導入・溶菌の誘発が可能であることが示された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2023年度に設定した小課題1の内容は概ね到達できたと考えられる。しかしながら溶菌が確認されたプラスミドからのエンドリシンの精製には培養条件ならびに精製工程の更なる条件検討が必要である。標本回収量の少なさから菌体外からのエンドリシン投与の十分な試験が実施できなかった。条件を詰める必要性が残されてはいるが、2024年度に着手する小課題2で使用予定の抗原タンパクの発現系構築を同時に進めており、タンパク発現と確認までは成功している。

Strategy for Future Research Activity

構築したプラスミドをM13ファージ粒子内に取り込ませることは成功しているが、シュードファージ構築時に混入するヘルパーファージの影響が懸念されるところであり、この混入を避けるべく新たなシュードファージ構築の系の作製を継続する。
2024年度は「小課題2:ファージディスプレイ法を用いたAPEC外膜タンパクに特異的に結合するペプチドの探索」に取りかかる。前述の通り、APEC由来の外膜タンパク「ISS」の遺伝子はクローニング済みであり、発現の確認も成功している。このタンパクを抗原として特異的に結合するペプチド領域を探索し、同定する。早期に同定が成った時は同定ペプチドを用いてエンドリシンとの融合タンパクおよびAPEC野外株の保有するISSへの結合性を評価する予定である。

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report

URL: 

Published: 2023-04-13   Modified: 2024-12-25  

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