Project/Area Number |
23K05560
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42020:Veterinary medical science-related
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
恒川 直樹 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (50431838)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 精子発生 / in vitro / 精原幹細胞 |
Outline of Research at the Start |
精子の幹細胞である精原幹細胞(配偶子幹細胞)は、種の連綿を支える重要な役割を果たすことから、究極のバイオリソースである。本研究課題では、精原幹細胞ニッチに着目し、気相液相境界面培養法によってin vitro精子発生に挑戦し、インキュベーターの中で精原幹細胞から精子を永続的に産生させることを試みる。対象にしている哺乳動物は、実験動物、野生動物、愛玩動物、産業動物、展示動物とし、精巣組織片を採材して、培養に供する。培養には様々な添加物を与える他、動物種にあわせた培養温度や酸素濃度についても検討する。得られた組織片を組織学的、分子生物学的に評価して、至適培養条件を導き出す。
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Outline of Annual Research Achievements |
精子の幹細胞である精原幹細胞(配偶子幹細胞)は、種の連綿を支える重要な役割を果たすことから、究極のバイオリソースである。精原幹細胞の生物学的な知見を得ることは、生殖生物学分野の学術的な貢献に留まらず、畜産業、希少動物の保護分野においては未利用の資源であり、ヒトの生殖医療に対しては男性不妊症患者に対して直接的に貢献することが期待できる重要なテーマである。国際競争の観点から早急に解決すべく喫緊の課題でもある。精原幹細胞は、精細管内の微小環境(ニッチ)に存在し、セルトリ細胞によって構成されるニッチシステムにより巧に制御されることが知られている。申請者らは、季節によって激しく精細胞の数を変動させるハムスターと、常に生殖活性の高いマウスと比較を行ったところ、前者に新たなニッチシステム(セルトリバルブニッチと命名)を見つけることに成功し、精原幹細胞が高密度に集積する場所を発見した。そこは、精原幹細胞が枯渇しないよう、必要に応じて利用するバックアップ場所であると考えられ、安定供給に役立っていると推察された。そこで本研究課題は、セルトリバルブニッチに宿る精原幹細胞に着目し、気相液相境界面培養法によってin vitro精子発生に挑戦し、精原幹細胞からインキュベーターの中で精子を永続的に産生させることを最終ゴールに設定し、令和5年度はシリアンハムスター(Mesocricetus auratus)を材料に実験を展開した。60日間の培養の結果、精巣組織を維持することはできたが、精細胞の分化については必ずしも良好な成績ではなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
気相液相境界部培養法とよばれる器官培養法の確立により、マウス新生仔精巣組織片より機能的な精子が体外で産生できることが示され、続いてラットにおいても対応する成果が報告されている。本研究では新生仔ハムスターの精巣を材料にして、体外精子発生を試みた。シリアンハムスター(Mesocricetus auratus)の生後5日と10日の新生仔精巣を供した。先行研究に従い、摘出の精巣を細切し、液体培地で半分ほど浸したアガロースゲルの上に静置し、温度36℃、CO2濃度5%で培養を行った。培地は、α-MEM培地に代替血清(KSR:KnockOut Serm Replacement)、アルブミン製剤(AlbuMAX)を添加したものを基本に、比較をした。約60日間の培養を行い約7日おきに経時的に採材して解析を行った。コントロールは、培養開始時の精巣組織片とした。培養後の精巣組織片の解析は組織学的手法により行い、ヘマトキシリン・エオジン染色及び免疫組織化学染色を施し、光学顕微鏡で観察を行った。その結果、培養開始において前精祖細胞が認められ、培養に伴って基底膜に接し、精祖細胞への分化と増殖が認められた。現在、精子発生を促進する添加物の検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
①実験動物:先述の通り、ハムスターを材料にして展開しており、継続して実施する。 ②野生動物:捕獲が比較的容易な野生のアカネズミを対象にするため、令和6年度中に着手する。唯一の成功事例である実験用マウスと近縁種であることから、先行研究に沿って展開する価値は高い。日本大学生物資源科学部の付属施設である富士自然教育センターにおいてアカネズミの捕獲が可能であり、スタッフによる協力体制が整い、行政に対する捕獲許可願を申請しているところである。 ③愛玩動物:イヌやネコは、去勢手術によって精巣が摘出される。性成熟を迎える時期に行われる事が多いが、希に未成熟個体に対して行われる事もある。既に、近隣の動物病院の協力を得て、精巣の組織学的解析ができる体制を整えることができたため、令和6年度中に実施する。 ④産業動物:ブタの生産において、去勢手術は生後1週間前後に行われる。日本大学生物資源科学部付属農場では、改修工事が完成したことから去勢手術を待ち、本実験に供する。 ⑤展示動物:本研究室は、動物園施設との連携が取れており、令和5年度においては、1件ではあるが大型草食獣(アフリカ原産)の精巣を摘出し、解析を試みた。しかしながら、死亡後直ちに実施できなかったため、結果を得ることができなかった。今後も継続して死亡個体の精巣を材料にして、培養実験を行う。
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