Project/Area Number |
23K05572
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42020:Veterinary medical science-related
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
佐々木 崇 札幌医科大学, 医学部, 講師 (50723897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西藤 公司 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20365422)
山崎 真大 岩手大学, 農学部, 教授 (40322846)
原田 和記 鳥取大学, 農学部, 准教授 (80549543)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | MRSP / CEX / メチシリン耐性 / 表在性膿皮症 / ST121 / SCCmec V / イヌ表在性膿皮症 / セファレキシン(CEX) / 多剤耐性菌 |
Outline of Research at the Start |
MRSP蔓延により、表在性膿皮症では近年第一選択セファレキシン(CEX)回避と広域抗菌薬多用の傾向があり、MRSP蔓延の悪循環に陥っている。代表者らはこれまで、本疾患一次診療では、MRSP起因性でもCEXは感性~中間の表現型株が多く、CEXが高い臨床効果があることを示してきた。しかし薬剤感受性試験基準CLSIはβラクタム系薬投薬中にメチシリン耐性機構を介した耐性誘導が生じるため、MRSP症例へのCEX処方を推奨しない。本研究では、CEX曝露下の耐性変異頻度解析と耐性機序解析を実施し、CEX非耐性MRSP株におけるCEX暴露下のメチシリン耐性機構介在性耐性度上昇についてリスク分析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
イヌ表在性膿皮症は、ブドウ球菌を主因とする細菌性皮膚疾患であるが、近年メチシリン耐性S. pseudintermedius(MRSP)の院内感染型クローンの世界的蔓延から、第一選択薬セファレキシン(CEX)の過剰回避とフルオロキノロン薬多用が助長され、MRSP蔓延の悪循環に陥っている。しかし実臨床では、本疾患一次診療のMRSP型は市中感染型が占め、表現型としてはCEXは感受性や中間を示す分離株が多い。CLSI基準に従えば、このような菌株はCEXを含むβラクタム系薬は使用しないことが推奨され、投薬中のメチシリン耐性機構を介した耐性誘導が想定されるためと説明されているものの、表現型がCEX耐性でなければMRSP起因症例にCEXが高い臨床的効果を示すことを申請者らは見出していた。そこで本研究では、CEXはMRSP株にメチシリン耐性機構を介した耐性誘導を起こさないという仮説を立て、CEX曝露下の耐性変異株の出現頻度と機序解析によりこれを検証することを目的とした。 本年度は、MRSP株のCEX暴露下での耐性出現頻度解析とその責任変異解析に先立ち、全20株の全ゲノム解析を実施し、CEX耐性度が高度な2株は完全長ゲノムを決定した。それらの配列データを用い、国内一次診療症例におけるMRS株の分子疫学的解析を実施した。その結果、国内の本疾患一次診療症例由来MRSPクローンの遺伝的ポピュレーション構造は、ST121-SCCmec V型、同一ST型間でのペアワイズSNP数が100前後の相互に近縁なクローンが約3割と集中しており、本クローンによる地域的アウトブレイクが示唆された。文献的に本クローンの流行を報告する国や地域が現状ではなかった。次年度はCEX暴露下におけるCEX耐性出現頻度解析と責任変異解析を予定通り実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では、MRSP株を用いたCEX暴露下におけるCEX耐性出現頻度解析と責任変異解析から着手する予定であったが、分離株のゲノム解析を優先した。CEXの耐性誘導を起こした変異株が出現した場合、ゲノム比較による非同義置換解析が求められるが、そのためには完全長ゲノムと全遺伝子のアノテーションの決定が先行して完了していた方がバイオインフォマティクス解析の観点でも効率が良い。また、分離株のゲノム解析結果は、臨床的にも示唆に富むため、いち早く実臨床に貢献する情報提供が叶う。それゆえ初年度はゲノム解析を先行して実施し、その結果として日本国内におけるMRSP特定クローンの地域的アウトブレイクを見出すに至った。以上から、研究計画は概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度のMRSP株の全ゲノム解析及び一部菌株の完全長ゲノム配列決定に続き、今後は完全長ゲノムデータのアノテーションとNCBI登録に着手する。アノテーション作業は解析プログラムによる自動解析のみでは、ブドウ球菌にユニークな遺伝子名や機能名の付与を誤ってしまう可能性が高い。そのため、研究代表者自身による二次解析とマニュアル作業を実施することで慎重に行う。具体的には、自動アノテーションを実施後、研究代表者がこれまでに完全長配列決定と詳細なアノテーション解析を実施したMRSA株やMRSS株を用い、双方向BLAST解析を行い自動アノテーションによる遺伝子名の命名結果を修正する。さらにマニュアル作業により、ブドウ球菌にユニークな薬剤耐性エレメントや病原因子の遺伝子名に重点を置いた確認・修正を加え、アノテーション作業を完了させる。NCBI登録が完了し次第、MRSP株を用いたCEX暴露下におけるCEX耐性出現頻度解析と責任変異解析から着手する。
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