Project/Area Number |
23K05592
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42030:Animal life science-related
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
原 聡史 佐賀大学, 医学部, 助教 (80739582)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | ゲノムインプリンティング / Igf2-H19 / Beckwith-Wiedemann症候群 / CRISPR/Cas9 / ゲノム編集 |
Outline of Research at the Start |
先天性疾患Beckwith-Wiedemann症候群(BWS)は、発生過程において母性アレルのH19-ICR領域が異常に高メチル化されることで発症するが、その分子機構の全容は未解明である。申請者は、H19-ICR内部に存在する5箇所のタンパク結合部位のうち2箇所を変異させたマウスが、BWS様の過成長を示すことを見出した。そこで本研究では、5箇所のタンパク結合部位を様々な組み合わせで変異させたマウスを用いて、過成長を引き起こす責任部位を同定し、H19-ICRのメチル化異常が生じる時期を明らかにする。さらに、責任部位の変異がクロマチンループ形成に及ぼす影響を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、Beckwith-Wiedemann症候群(BWS)の原因である母性H19-ICRの異常高メチル化の分子機構の解明を目的としている。今年度はBWSの表現型を伴う異常高メチル化を引き起こす責任部位を同定するために、申請者が独自にH19-ICRに様々な変異を導入したマウス群(H19-ICR改変マウスパネル)を構築した。具体的には、H19-ICR内部のSox-Oct結合部位(SOBS)および4箇所のCTCF結合部位(CTS1-CTS4)について、単独もしくは様々な組み合わせで変異を導入したマウスを計10系統作出した。全ての変異をそれぞれ母性遺伝したマウス新生仔を取得後、体重および組織重量の測定を行い、変異マウスの表現型を評価した。その結果、SOBSあるいはCTS1-4を単独で変異した場合は顕著な表現型を示さなかったが、SOBS/CTS3ダブル変異、SOBS/CTS4ダブル変異およびCTS3/CTS4ダブル変異の3系統でBWS様の過成長が観察された。特にSOBS/CTS3変異を母性遺伝した場合に過成長個体の出現頻度が最も高いことが明らかになった。これらの変異マウス新生仔の各組織におけるIgf2およびH19遺伝子の発現量および発現アレルを解析したところ、3系統すべてでインプリント遺伝子の発現異常が生じていたが、特にSOBS/CTS3変異で最も強い影響が認められ、表現型解析の結果と一致した。さらにDNAメチル化解析の結果、SOBS/CTS3変異において母性アレルH19-ICR全域が高メチル化されていた。これらのことから、SOBSおよびCTS3がBWS様の過成長を引き起こす責任配列であることが強く示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H19-ICR改変マウスパネルに関して、現在までにタンパク結合配列を単独で変異させたマウス5系統、ダブル変異5系統の計10系統を作出することができ、当初目標であった令和5年度までに表現型解析を完了させることができた。このことから概ね順調と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、母性H19-ICRに生じるDNAメチル化異常の発生過程における推移を解析するため、特に表現型が認められた系統について、卵子、胚盤胞およびE6.5胚を用いてDNAメチル化状態の解析を行う。また、4C-seq解析に関しても、プライマーの選定ならびにマウス胚を用いた条件検討を実施する。
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