Project/Area Number |
23K05594
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42030:Animal life science-related
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
内田 邦敏 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 准教授 (20581135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷田 守 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (70512309)
岩瀬 麻里 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (10980849)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 褐色脂肪 / 熱産生 / 内臓感覚神経 / ATP / 褐色脂肪細胞 / 感覚神経 / 情報伝達 |
Outline of Research at the Start |
多臓器生物において各臓器間の活動は主に神経系と内分泌系を介して協調して調節されることで生体恒常性が維持される。体温維持のために熱産生を起こす褐色脂肪組織は交感神経によって脳からの調節を受けているが、褐色脂肪組織から他臓器への情報伝達機構には不明な点が多い。本研究の目的は、ATPに着目し、褐色脂肪組織に分布する感覚神経が褐色脂肪細胞の情報を受容する機構並びにその生理的意義を解明することである。主に、褐色脂肪細胞解析、in vivo神経標識及び活動計測、遺伝子改変マウスなどの解析等により、褐色脂肪細胞から感覚神経への情報伝達機構並びに情報伝達のエネルギー代謝調節との関連を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
体温維持のためにエネルギーを消費し熱産生を起こす褐色脂肪組織は、交感神経によって脳からの調節を受けているが、褐色脂肪組織から脳をはじめとする他臓器への情報伝達機構には不明な点が多い。本研究の目的は、情報伝達物質としてのATPに着目し、褐色脂肪組織に分布する感覚神経が褐色脂肪細胞の情報を受容する機構並びにその生理的意義を解明することである。 まず、褐色脂肪組織に分布する感覚神経を同定した。マウスの肩甲骨間褐色脂肪組織に逆行性トレーサー(4% Fluoro-Gold、3microL)を局所投与した3日後にイソフルラン吸入麻酔下にて還流固定して頚椎、胸椎、腰椎の後根神経節を摘出し、作製した薄切切片を用いて免疫組織染色法を行った。その結果、褐色脂肪組織に分布する求心性神経は頚椎〜胸椎の後根神経節から軸索を伸ばしていることがわかった。また、後根神経節をIB4、CGRP、NF200、TRPV1の各感覚神経マーカーにて蛍光免疫染色した結果、褐色脂肪組織に分布する求心性神経の多くが無髄のペプチド非含有神経であった。 褐色脂肪組織におけるATP放出に関わる遺伝子発現を網羅的に解析した結果、ATPチャネルであるPannexin1並びにCALHM2の発現が認められ、小胞体ヌクレオチドトランスポーターVNUT(Slc17a9)、CALHM1、CALHM3、Pannexin2、Pannexin3の発現はみられなかった。また、褐色脂肪組織においてATP受容体(P2X4、P2X5、P2X6、P2Y1、P2Y2)の発現も認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ATPイメージングが進んでいない一方で、網羅的な遺伝子発現解析からATP放出機構を推定できたこと、褐色脂肪組織に分布する求心性神経を同定できたことから、概ね順調に進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
Pannexin1、CALHM2のタンパク質発現をウエスタンブロット法を用いて、機能的発現を電気生理学的手法を用いてそれぞれ検討する。初代培養褐色脂肪細胞にATPイメージングを適用してATP放出を起こす刺激の探索を行う。具体的には、ミトコンドリア阻害薬、分化誘導、交感神経活動亢進(β受容体作動薬)、褐色脂肪細胞に作用するホルモンに対する応答を観察する。麻酔下のマウスの褐色脂肪組織に分布する求心性神経活動の計測を行う。TRPV1作動薬、ATP受容体作動薬、ATP放出を起こす刺激の褐色脂肪組織への微量注入に対する感覚神経活動変化を検討する。感覚神経脱落マウス、感覚神経特異的なATP受容体欠損マウス、並びに褐色脂肪組織特異的なPannexin1もしくはCALHM2欠損マウスを作出する。これらマウスの体重、活動量、摂餌量、血液生化学試験を行う。体温、褐色脂肪組織温度の測定、褐色脂肪組織及びエネルギー代謝に関わる臓器の遺伝子発現変化について検討する。
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