Project/Area Number |
23K05595
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42030:Animal life science-related
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
寺島 涼太 北里大学, 獣医学部, 講師 (50733630)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 下垂体 / 卵胞刺激ホルモン / 核内受容体 / 排卵 / 内分泌 / FSH / マウス |
Outline of Research at the Start |
生殖補助技術の利用は益々増加し、その発展に資する繁殖生物学の貢献が期待される。哺乳類の生理的な排卵時には、排卵のトリガーとなる黄体形成ホルモン(LH)の分泌とともに下垂体から卵胞刺激ホルモン(FSH)も分泌される。しかし、その機能的意義は謎が多く残されている。本研究では、排卵前に下垂体で発現の増加するFSH分泌調節因子に着目し、その因子のFSHサージへの影響の解明とFSH作用を制御したマウスモデルの開発を試みる。排卵時期におけるFSHの役割を明らかにし、FSH作用が排卵効率や卵成熟、卵質を制御するターゲットとなりうるかを模索する。
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Outline of Annual Research Achievements |
生理的な排卵の前に起こる下垂体卵胞刺激ホルモン(FSH)の大量分泌の意義は不明である。転写因子NR4A3は排卵前に下垂体で発現の増加するFSH分泌調節因子であり、この分子に着目した排卵前FSH分泌調節機序の解明と排卵前FSH作用を制御した動物モデルの開発が本研究の目的である。 NR4A3によるFSH分泌に対する生理的作用とその機序を解明するため、生理的な条件に近いラット下垂体初代培養細胞を用いNR4A3がFSH分泌を特異的に促進すること、同じ核内受容体ファミリーであるNR4A1とNR4A2にもFSH分泌促進作用のあることを明らかにした。ラット下垂体前葉のNR4A1、NR4A2、NR4A3はいずれも排卵前である発情前期ゴナドトロピンサージに同期して顕著に発現の増加することが明らかにしたことから排卵前のFSH分泌調節にNR4Aファミリータンパク質が協調的に関与することが示唆された。一方で、一般的に用いられるゴナドトロフ細胞株LβT2細胞でのNR4Aファミリー遺伝子ノックダウンや過剰発現系ではFSH分泌がどちらでも促進される矛盾する結果になることから生理的なNR4A3によるFSH分泌調節機序の解析に不適であると判断した。FSH分泌調節モデル開発のため、NR4A3アゴニストの候補物質であるプロスタグランジンA2と6-メルカプトプリンの作用を検討したが、in vitroおよびin vivoのどちらの投与においても期待した効果は得られず、被験物質投与による排卵前FSH分泌調節モデル作成はできないことが予想された。そこで当初から予定していたNR4A分子の発現が亢進しているアネキシンA5(ANXA5)ノックアウト動物を用いた解析を進めるため新たにANXA5ノックアウトラットを作出した。今後、このin vivoモデルにおける生理的なFSH分泌動態の詳細と卵質への影響を解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたLβT2マウスゴナドトロフ由来株を用いた実験は生理的な反応と大きく異なることからすぐさま計画を変更し、初代培養系を用いた実験系で解析を進めている。初代培養系での実験では現時点でNR4AファミリーによるFSH分泌への影響がクリアに示せており、順調に解析が進んでいる。 FSH分泌調節モデルの開発について、NR4A3アゴニストを用いたモデル開発が困難になったため、ANXA5ノックアウト動物を用いた解析に傾注することにした。分泌動態などの細かい解析を可能にするノックアウトラットの作出に成功したことは本年度の大きな進歩として挙げられる。今後は確実な性周期性の把握や連続採血によるホルモン測定が可能になる。さらに増感法を用いたホルモン測定系を確立させ、微量の検体でも高感度でホルモン測定が可能になり、必要な実験系が準備され次年度以降のin vivo解析の期間内の遂行の目途がつき、概ね予定通り計画が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後のin vitro実験は初代培養系を中心に解析し、NR4Aファミリータンパク質の作用機序を解明する。部分的に細胞株を用いた実験でデータを補完する予定である。モデル動物の開発としてANXA5ノックアウトラットを作出できたため、周排卵期のホルモン動態解析、卵巣機能解析、排卵数や卵質の解析を予定通り遂行する。
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