Project/Area Number |
23K05644
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 43010:Molecular biology-related
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
大野 速雄 日本女子大学, 理学部, 講師 (00747272)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 腸内微生物 / 胚発生 / ストレス応答 / 宿主-微生物相互作用 / 線虫 / 発生 / 遺伝学的スクリーニング |
Outline of Research at the Start |
研究代表者らは最近になって、優れたモデル生物の一つである線虫Caenorhabditis elegansの母親が有害な腸内微生物を経験すると、その子の胚発生パターンが切り替わることを発見した。本研究では、縦横な遺伝学的解析が可能なこの独自の実験系を活かして、様々な有害腸内微生物が宿主とどのように相互作用するのかについて、分子レベル・細胞内構造レベルで解明することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
我々は最近になって、発生学の優れたモデル生物である線虫C.エレガンスの母親が有害な腸内微生物を経験すると、子の胚発生様式が左右非対称に変化し、この変化により有害微生物存在下での生殖能力が向上することを見出した。本研究ではこの胚発生様式の切り替え現象(選択的胚発生)を利用して、社会福祉上の重要性が叫ばれながらこれまで解析が難航してきた、有害微生物が腸内で活動する際に機能する分子の実体とその宿主への影響、さらに微生物への宿主の応答機構を明らかにする。 2023年度(1年目)においては、特に下記のような、今後の研究計画を推進するための基盤となる成果が得られている。 (1) 選択的胚発生を高効率で誘導する方法の発見 有害微生物に暴露する直前の餌の種類が、胚発生変化に大きく関与する可能性が高いことを見出した。この現象のメカニズムを解析するうえで重要な発見と考えており、この原因とともに、さらに効率よく選択的胚発生を誘導することができる方法を探っていく。 (2) 選択的胚発生に異常を示す変異体のスクリーニング 化学変異原(エチルメタンスルホン酸)を用いた順遺伝学的スクリーニングにより、選択的胚発生に関わる新奇分子を明らかにすることを目指す。今年度は様々な技術改良の結果、選択的胚発生を迅速に検出するプロトコールの開発に成功した。この方法を利用して、選択的胚発生に異常を示す変異体を多数単離するための大規模なスクリーニングを開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
選択的胚発生は我々が独自に発見した現象で、先駆者ならではの試行錯誤が多く必要となっている。そんな中、有害微生物に暴露する直前の餌となる微生物の種類が、胚発生変化に大きく関与する可能性が高いことを見出した。この現象を効率よく解析するうえで有用な知見であるだけでなく、この現象のメカニズムを解析するうえでも重要な手がかりの1つとなると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
宿主の胚発生変化制御機構については、前述のスクリーニングで単離を目指す変異体と、既に得られている変異体を合わせ、責任遺伝子の同定を手がかりとして解析を進めていく。有害腸内微生物による作用の分子病理学的解析など他の研究計画についても、2023年度に得られた知見をもとに、予定通りに推進していく。
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