Project/Area Number |
23K05654
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 43020:Structural biochemistry-related
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
杉木 俊彦 北里大学, 薬学部, 准教授 (70635698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮西 孝一郎 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助教 (60909399)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 創薬 / NMR / トリプレットDNP |
Outline of Research at the Start |
【背景】 溶液核磁気共鳴(溶液NMR)法は、溶液中の分子の構造解析に無くてはならない 分析法であるだけでなく、新規薬剤の探索・開発等の創薬研究にも不可欠な手法である。しかし、感度の低さが最大のネックである。 【目的・方法】 室温・溶液試料で動的核偏極 (dynamic nuclear polarization; DNP) を可能にするトリプレットDNP技術を、溶液NMR実験に組み入れることで、特に感度の低さが実験の障壁となりやすい創薬NMR実験の感度問題に抜本的なブレイクスルーをもたらす基盤技術を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
成果の具体的内容:初年度(令和5年度)において、当初の予定に沿って、研究代表者が19F-NMR実験の高感度化のための試料調製と予備検討を進めるとともに、研究分担者とともに大阪大学基礎工学部北川勝浩研究室の500MHz NMR装置に実際にトリプレットDNP装置を接続して当該試料の溶液NMR観測の高感度化の検討を行った。19F核の高感度化を進めることに並行して、13C核の高感度化観測の検討も進めた。その結果、13C標識サリチル酸(13C-SA)とヒト血清アルブミン(HSA)の相互作用、およびその相互作用が競合阻害剤であるワルファリンの添加によって阻害される様子を、溶液13C-NMR観測で明瞭に観測することに成功するとともに、その感度をトリプレットDNP技術で約700倍増強することに成功した。当該成果は早速原著論文にまとめ、査読付き国際学術誌に受理されることができた(Miyanishi K and Sugiki T et al. (2023) J. Phys. Chem. Lett., 14(27): 6241-6247)。本論文はeditor's choiceにも選ばれた。 意義:19F核の溶液NMR観測の高感度化へ向けて大きな足掛かりとなる成果を出すことに成功した。この成果の知見に基づいて19F標識サリチル酸(19F-SA)とHSAの相互作用の高感度化のための検討を加速することが出来る。 重要性:薬剤とタンパク質の相互作用、およびその相互作用を阻害剤で阻害する様子を溶液NMRで観測することは、溶液NMRがもつ感度や薬剤の溶解性などの限界のため、困難や限界に直面することがしばしばである。本成果は、そのボトルネックを抜本的に解決することに繋がる。そして、実際の薬剤にも含まれており薬効発揮にも重要である19F核を観測対象とする溶液NMRの高感度化に繋がる基盤技術を構築できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
19F核の溶液NMR観測のための試料調製および予備検討は順調に進んでおり、19F標識サリチル酸(19F-SA)とタンパク質(ヒト血清アルブミン(HSA))の相互作用、およびその相互作用を阻害剤の添加で弱めることを、溶液19F-NMRで観測することに成功した。 それをトリプレットDNPで高感度化する検討に入るとともに、並行して、13C-SAとHSAの相互作用、およびその相互作用を阻害剤で阻害することを溶液13C-NMRで観測するとともにトリプレットDNPで700倍高感度化することに成功し、原著論文としてまとめることが出来た。 創薬NMR実験をトリプレットDNPで高感度化するというチャレンジングな研究で一つ大きな成果を査読付き原著論文として出すことに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
並行して進めていた、13C核観測型の創薬NMR実験をトリプレットDNPで高感度化する検討について、基盤となる技術をほぼ確立することに成功したため、その知見と技術を、並行して進めている19F核観測型の創薬NMR観測のトリプレットDNP高感度化の検討に活かし、19F核観測型の創薬NMR観測においてもトリプレットDNPによる高感度化を成し遂げるよう実験を進めてゆく。2年度目(令和6年度中)に高感度化の進展を得ることを目指す。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Protein-Ligand Interaction Analyses with Nuclear Magnetic Resonance Spectroscopy Enhanced by Dissolution Triplet Dynamic Nuclear Polarization2023
Author(s)
Miyanishi, K.; Sugiki, T.; Matsui, T.; Ozawa, R.; Hatanaka, Y.; Enozawa, H.; Nakamura, Y.; Murata, T.; Kagawa, A.; Morita, Y.; Fujiwara, T.; Kitagawa, M.; Negoro, M.
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Journal Title
J. Phys. Chem. Lett.
Volume: 14
Issue: 27
Pages: 6241-6247
DOI
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Peer Reviewed