Project/Area Number |
23K05658
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 43020:Structural biochemistry-related
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
櫻庭 春彦 香川大学, 農学部, 教授 (90205823)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | L-プロリン脱水素酵素 / NADH脱水素酵素 / X線結晶構造解析 / L-1-ピロリン-5-カルボン酸レダクターゼ / L-プロリン生合成 / 超好熱アーキア / フラビン酵素 / プロリン脱水素酵素 / 超好熱菌 / アーキア / オルニチンアミノトランスフェラーゼ |
Outline of Research at the Start |
我々は、超好熱アーキアにヘテロ4量体型L-プロリン(L-Pro)脱水素酵素(TPPD)を発見し、その機能解析を進めてきた。本酵素は4種類のサブユニットから成るが、βサブユニット単独でL-ProをL-1-ピロリン-5-カルボン酸(P5C)に変換するL-Pro脱水素酵素活性を示し、αサブユニット単独ではNADH脱水素酵素活性を示す。我々は、TPPDが複合体としてP5CからL-Proを合成するP5Cレダクターゼ活性を持つことを見出し、L-Pro生合成に関与する可能性が示唆された。本研究では、この酵素の機能・構造相関を解析し、超好熱アーキアにおいてこれまで不明であったL-Pro生合成系の解明に繋げる。
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Outline of Annual Research Achievements |
超好熱アーキアにおけるフラビン酵素探索の過程で、ヘテロ4量体型L-プロリン(L-Pro)脱水素酵素を発見し、その機能解析を進めてきた。この酵素は、4種類のサブユニットα、β、γ、δ から成る複合体構造を取るが、βサブユニット単独でL-ProをL-1-ピロリン-5-カルボン酸(P5C)に変換するL-Pro脱水素酵素活性を示し、αサブユニット単独ではNADHをNADに変換するNADH脱水素酵素活性を示す。通常、L-Pro脱水素酵素はL-Proからのエネルギー生産に機能すると考えられるが、なぜNADH脱水素酵素と複合体を形成するのか謎であった。すでに我々は、Thermococcus profundus由来の本酵素複合体(TPPDH)がNADHの減少に伴い、L-Proを合成するP5Cレダクターゼ活性を持つことを見出し、L-Proの生合成に関与する可能性が示唆された。本研究では、この複合体の機能・構造相関を解析することを目的とした。 βサブユニットのN末端にヒスチジンタグを付加した酵素を精製し、精製酵素の結晶化条件のスクリーニングを行った。10 mg/mlの酵素濃度では、結晶が得られなかったが、50 mg/mlの高濃度で仕込むと酢酸マグネシウム・カコジル酸バッファー・PEG6000の条件で結晶化に成功した。高エネルギー加速器研究機構において、X線回折実験を行い、3.4 Åの分解能でデータを収集した。現在、位相決定を進めている。また、さらに高分解能の反射を示す結晶の作成に取り組んでいる。一方、βサブユニット単独の結晶化に2-プロパノール・クエン酸バッファー・PEG1000の条件で成功した。X線回折実験の結果、1.2 Åの高分解能データを収集し、分子置換により位相決定を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①TPPDH複合体について結晶化に成功し、3.4 Åの分解能でデータを取得している。 ②TPPDHのβサブユニット単独の結晶化に成功し、1.2 Åの分解能でデータを取得している。また、分子置換により位相決定に成功した。 ③T. profundus近縁種のαβγδ型L-Pro脱水素酵素複合体について、大腸菌における大量生産系(βサブユニットヒスチジンタグ有り)が構築できており、酵素の精製法を確立している。また、これらがP5Cレダクターゼ活性を持つことを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
①TPPDH複合体について、3.4 Åの分解能データの解析を進める。分子置換で位相が決定できない場合、セレノメチオニンを含む酵素を調製し、セレンの異常分散(Se-MAD法)による位相決定を試みる。また、さらに高分解能の反射を示す結晶の作成を進める。 ②TPPDHのβサブユニットについて、モデル構築を行い、結晶構造を決定する。すでに構造解析に成功しているα4β4型L-Pro脱水素酵素のβサブユニットと構造比較を行う。 ③近縁種のT. peptonophilusおよびPyrococcus horikoshii由来のαβγδ型L-Pro脱水素酵素複合体について精製方法を確立し、両者ともにP5Cレダクターゼ活性を持つことを確認したので、これらの酵素についても結晶化を進める。
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