がん細胞悪性形質の新規抑制機構に関わる細胞膜標的因子の同定と分子機構解明
Project/Area Number |
23K05700
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 43030:Functional biochemistry-related
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
米田 敦子 東京薬科大学, 生命科学部, 講師 (80590372)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 癌 / イノシトールリン脂質 / 細胞接着 / 細胞死 / 細胞膜 |
Outline of Research at the Start |
細胞膜は2重層(内葉と外葉)からなる。内葉に豊富で細胞応答に重要なホスファチジルイノシトール4,5-二リン酸(PIP2)が、外葉にも存在し、がん細胞の接着・遊走に関与することを最近報告した。本研究では、外葉PIP2 による細胞接着、細胞死の制御機構解明と、外葉PIP2関連分子を阻害するがん阻害化合物の探索を行う。本研究により、がん細胞悪性形質の新規抑制機構解明と阻害剤開発の基礎形成が期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
細胞膜は脂質2重層(内葉と外葉)からなり、その2層の脂質組成は異なる。しかし、アポトーシス時に内葉のホスファチジルセリンが外葉に露出して、マクロファージによる貪食のシグナルとなるなど、一過的に反転する脂質がある。我々の研究室では、細胞膜内葉にのみ存在するとされ、様々な細胞応答に重要な働きをするホスファチジルイノシトール4,5-二リン酸(PIP2)が、細胞膜外葉にも存在し、がん細胞の接着・遊走に関与することを報告した。加えて最近、外葉PIP2が、種々のがんの予後不良と相関する特殊な細胞死に関与することを見出した。以上のことから、外葉 PIP2 の機能抑制によりがん細胞の悪性形質を抑制できるという仮説を立てた。本研究では、外葉 PIP2 によるがん細胞接着、遊走、細胞死の制御機構を明らかにすること、PIP2 露出機構とその意義を明らかにすること、外葉 PIP2 あるいは関連分子を標的とするがん細胞悪性形質阻害化合物を同定することを目的とする。 2023年度は、外葉PIP2依存的細胞接着・遊走や特殊な細胞死に関わる細胞膜タンパク質を同定するため、外葉PIP2近傍タンパク質候補分子を複数同定した。これら候補分子の発現抑制により、外葉 PIP2 依存的細胞接着が減少する分子を3種同定した。さらに、これらの候補分子が外葉PIP2依存的な特殊な細胞死に関与するかを検証中である。また、PIP2 露出酵素候補について先行研究で見出した酵素 Aに加え、酵素Yの関与を示唆する結果を得た。これらの結果の一部を学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
外葉PIP2依存的細胞応答に関わる細胞膜タンパク質を同定するため、ヒト大腸がん細胞DLD-1を用い、外葉PIP2の近傍に存在する細胞膜タンパク質を単離し、マススペクトル解析により同定した。このうち、細胞接着への関連が報告されている細胞膜タンパク質について、外葉PIP2依存的細胞応答を示す複数の細胞の可溶化液をウエスタンブロッティングにより解析した。共通して発現が認められたタンパク質をsiRNAにより発現抑制し、外葉 PIP2 依存的細胞接着が減少する分子3種に絞り込んだ。先行研究で候補となった分子Bと本年度挙がった候補分子3種が、外葉PIP2依存的な特殊な細胞死に関与するかを検証中である。また、DLD-1細胞での発現抑制と外葉PIP2染色により、PIP2 露出酵素候補として新たにYの関与を示唆する結果を得た。これにより、先行研究で見出した酵素 Aに加え、酵素Yも外葉PIP2量の制御に関わることが示唆され、外葉PIP2量の制御は複雑であることが考えられた。これらの結果の一部を学会で発表しており、順調に進行していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度に候補として挙がった外葉PIP2近傍タンパク質のうち、細胞接着への関わりが示唆された分子については、その過剰発現の影響や、細胞局在解析などを進める。また、外葉PIP2依存的な特殊な細胞死への関わりについては発現抑制の影響の解析を進め、標的分子の絞り込みをする。PIP2反転酵素候補AとYを発現変化させ、外葉PIP2近傍タンパク質の局在や活性変化への影響を解析する。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)