Project/Area Number |
23K05748
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44010:Cell biology-related
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
鳥居 暁 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, プロジェクト准教授 (10444001)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 新規オートファジー / GOMED / Ulk1 / リン酸化 / オートファジー / 変異マウス / ゴルジ体 |
Outline of Research at the Start |
生物を構成する細胞には、不要になった物質を除去するオートファジーと呼ばれる機能が備わっている。所属研究室では、通常のオートファジー以外に別のGOMED(ゴメッド)と名付けた新規オートファジーを発見して、その生理機能の解明を目指して研究をしている。今回の研究において、私は新規オートファジーにおいて重要な構成因子であるUlk1タンパク質のリン酸化という修飾に焦点をあて、その新規オートファジーにおける役割を明らかにするとともに、新規オートファジー不全マウスで起きる異常を解析することで新規オートファジーの生理機能の解明を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
私は以前の研究で、ネクロプトーシスの構成因子であるRIPK3によってUlk1の746番目のセリンのリン酸化が起きることが新規オートファジー/別名GOMEDの誘導に必要であることを見出した。そこで、既に作製済の抗リン酸化Ulk1抗体が新規オートファジー/GOMEDの測定に使えることから、本研究においても活用した。2023年度に以下の研究を行った。 【研究1 Ulk1結合分子の探索とその役割の解明】抗リン酸化Ulk1抗体を用いて免疫沈降後に結合タンパク質のMS/MS解析を行うことで、リン酸化Ulk1結合タンパク質を複数同定した。今後この中でゴルジ体に局在するものに注目して各々機能解析を行う。 【研究2 抗リン酸化抗体を用いた生体内での新規オートファジー活性測定】抗リン酸化Ulk1抗体を用いた免疫組織化学により、マウスの脳組織を含めた複数の組織の細胞において通常状態でリン酸化Ulk1陽性の新規オートファジーが活性化していることを見出した。今後内在性基質であるインテグリンalpha5やリソソームとの共染色も進めて解析を行う。 【研究3 新規オートファジー不全マウスの解析による新規オートファジーが組織維持に関わるメカニズムの解明】以前の研究に基づいて、新規オートファジー/GOMED不全マウスを新たに作製した。研究2の結果から神経異常をメインにまず解析を行う。 【研究4 新規オートファジー誘導物質のマウスへの効果】所属研究室では、これまでに新規オートファジー誘導化合物を複数同定している。研究3のマウスの解析を行い、今後投与実験を開始する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リン酸化Ulk1結合タンパク質を複数同定し、その中にGOMEDが起きるゴルジ体に局在するタンパク質が含まれており、実験が順調に進んでいる。また抗リン酸化Ulk1抗体を用いた解析でマウスの脳組織等複数の組織において通常状態で GOMEDが活性化していることを見出しており、Ulk1リン酸化およびGOMEDの生理機能の解明が進むことが期待できる。さらに、GOMED不全マウスの作製が完了したことから、組織におけるこれらの役割が解明できると考えている。このことから進歩が順調に進んでいると考えてい
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Strategy for Future Research Activity |
【研究1 Ulk1結合分子の探索とその役割の解明】2023年度にリン酸化Ulk1結合タンパク質を複数同定した。同定したタンパク質の中でゴルジ体に関する機能を持つ物から候補を絞り、その新規オートファジーでの役割を明らかにする。具体的には、リン酸化Ulk1との結合(変化)、細胞内での局在(変化)、ノックダウンによる新規オートファジー/GOMEDでの必要性の検討、その生理活性と新規オートファジー誘導との関連性を明らかにする。 【研究2 抗リン酸化抗体を用いた生体内での新規オートファジー活性測定】抗リン酸化Ulk1抗体を用いた免疫組織化学を用いて、新規オートファジーの活性を時空間的にモニタリングする。新規オートファジーが誘導される細胞の種類、その活性強度を明らかにする。 【研究3 新規オートファジー不全マウスの解析による新規オートファジーが組織維持に関わるメカニズムの解明】新規オートファジー/GOMED不全マウスを新たに作製した。今後、運動機能障害といった表現型解析、神経細胞、グリア細胞、マイクログリアの変化の解析を行う。また神経症状以外の異常に関しても適宜観察を行う。新規オートファジー欠損が細胞異常に関わるメカニズムとして、細胞での分泌タンパク質の変化、インテグリンalpha5などの細胞膜タンパク質の発現変化などの関与が考えられる。そこで、変異マウスの組織、細胞において、これらのタンパク質にどのような変化が生じているかを免疫組織化学などで明らかにする。 【研究4 新規オートファジー誘導物質のマウスへの効果】所属研究室で同定した新規オートファジー誘導化合物を、上記マウスに投与することで、神経症状等病態を緩和できるか有効性を検討する。この化合物の標的分子をケミカルバイオロジーにより同定する。また、新規オートファジー活性化タンパク質を脳で発現させて神経症状を緩和できるかを解析する。
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