Project/Area Number |
23K05750
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44010:Cell biology-related
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
久冨 理 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (60773728)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 核移行因子 / インポーチン / 核小体 / ライブイメージング / 神経細胞 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、核移行因子のひとつKPNA1が核小体に局在する生理的意義の解明を目的とし、本研究期間内において、細胞内分子イメージング、KOマウスによる組織学的解析を駆使して、KPNA1が核小体に局在する分子機構、ならびに核小体のストレス応答機構におけるKPNA1の役割を、細胞レベルから組織/個体レベルにわたって明らかにする。本研究は、これまでほとんど研究されていない核移行因子と核小体との関係が担う細胞機能における役割について新たな知見を与えるだけでなく、神経疾患やがんなどストレス負荷との関係が示唆されている疾患の発症機序の解明や、治療法への応用にもつながると期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
上記の研究概要に基づき、令和5年度は主に以下の3点の成果を見出した。 (1)種々のマウス組織におけるKPNA1の局在を解析したところ、マウス脳皮質に加え後根神経節(DRG)においてもKPNA1は核小体に局在していた。一方、腸管(粘膜上皮)、胸腺(リンパ球)、大腿筋においてはこの局在は見られなかった。このことはKPNA1の核小体への局在は神経細胞特異的の可能性を示している。 (2)KPNA1の構造を欠損させた変異体を培養細胞に過剰発現させ、そのときのKPNA1の局在の変化を検証したところ、N末端領域を欠損したKPNA1は核小体に局在する割合が減少し、反対にC末端領域を欠損したKPNA1(KPNA1-ΔC)は核小体に局在する割合が有意に増加した。 (3)タイムラプス撮影により、KPNA1が核小体に局在する過程を撮影することに成功した。核小体と核膜の形成の指標として、NPM1(核小体分子のひとつ)とNup153(核膜孔複合体の構成分子のひとつ)と同時に過剰発現させ、細胞分裂開始から分裂完了までをタイムラプス撮影して分子の局在を解析したところ、核小体・核膜が形成しておよそ1時間後にKPNA1が核小体に局在する様子が見られた。同時にC末端領域を欠損したKPNA1の場合を解析したところ、核小体・核膜形成と同時に核小体に局在することがわかった。 以上の成果をまとめ、国内の学会およびシンポジウムにて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究開始当初に計画していた研究項目のうち、タイムラプス撮影によってKPNA1が核小体に局在する過程を捉えることに成功した。また、KPNA1変異体によって、核小体に局在する度合いや核小体に局在する過程が変化することを見出すことができた。 また、マウス神経細胞におけるKPNA1の欠損の影響を検証する実験系の構築として、マウスDRGに加え、大脳皮質神経細胞の初代培養、およびKPNA1-nullの遺伝子導入の系を確立し、さらにゲノム編集によるKPNA1-ΔCマウスの作出を進めているところである。
以上の理由から、本研究は概ね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の研究成果より、KPNA1が核小体に局在する分子機構には、KPNA1が特定の核小体分子との相互作用が関係していると仮説を立てた。そこで、マウス大脳皮質神経細胞やDRGを用いて、生化学的手法によってKPNA1と結合する核小体分子の同定を目指す。 また、確立させた実験系を用いて、KPNA1-nullやΔC変異を導入した初代培養のマウス神経細胞の形態解析、熱・酸化・UV・薬剤など種々のストレスに暴露させた時の細胞の状態、などを解析することで、細胞ストレス応答におけるKPNA1の役割を明らかにしていきたい。 以上の研究の遂行のため、令和6年度の予算は、主に細胞培養関連、分子生物学的・生化学的・組織学的実験に関連した消耗品の使用に主に充てる。
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