A study for a mechanism underlying conversion of pluripotency status by glycolysis
Project/Area Number |
23K05788
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44020:Developmental biology-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松居 靖久 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (40241575)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 生殖細胞 / 奇形種 / ナイーブ型多能性幹細胞 / プライム型多能性幹細胞 / 解糖系 |
Outline of Research at the Start |
奇形腫から樹立した多能性幹細胞株CDGCの多能性状態は、解糖系の阻害によりプライム型からナイーブ型へ変化する。そこで解糖系の下流でナイーブ型への変化に関与する代謝経路を、阻害剤および代謝酵素遺伝子のノックダウン実験により同定する。さらにナイーブ型への変化の初期段階で発現変動する遺伝子のノックダウンおよび強制発現により、解糖系の下流でナイーブ化の誘導に関与する遺伝子を明らかにする。またそれらがマウスやヒトの様々なプライム型多能性幹細胞のナイーブ化でも普遍的に働くことを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
哺乳動物の初期胚には、将来の体の各組織に分化できる多能性幹細胞が含まれていて、マウスの着床前胚には高い多能性を持つナイーブ型多能性幹細胞が存在し、また着床後胚では、多能性が制限されたプライム型多能性幹細胞へ変化する。そして着床前後の胚では両者が動的に平衡状態を変化させながら、次第にプライム型へ遷移すると考えられる。またナイーブ型に比べてプライム型では、エネルギー代謝状態が解糖系優位になることから、その活性変化が多能性状態の制御に関与している可能性が考えられるがわかっていない。研究代表者らは、これまでの研究で胎仔マウス精巣内の奇形腫細胞から、新たな多能性幹細胞株であるCDGC (Cultured Dnd1 Mutant Germ Cells)を樹立した。この細胞は、プライム型に少数のナイーブ型が混在するユニークな細胞で、解糖系の阻害剤である2DG(2-deoxy glucose)を添加して培養すると、プライム型からナイーブ型への変化が促進される。そこで本研究では、解糖系活性の低下が、どのようなしくみで多能性状態のナイーブ型への遷移を誘導するか、またそれが他の多能性幹細胞に普遍的かどうかを明らかにする。そのために、まず解糖系の下流、または分岐経路で、ナイーブ型への変化に関与する代謝経路を、培養液への阻害剤添加により調べる。そして、これまでに解糖系から分岐するペントースリン酸経路、ヘキソサミン生合成経路、セリン生合成経路、乳酸産生経路と、解糖系の下流にあるピルビン酸のミトコンドリアへの取込について調べたが、いずれも、ナイーブ化促進の効果は確認されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解糖系の下流でナイーブ型への変化に関与する代謝経路を、培養液への阻害剤添加により調べた。これまでに解糖系から分岐するペントースリン酸経路、ヘキソサミン生合成経路、セリン生合成経路、乳酸産生経路と、解糖系の下流にあるピルビン酸のミトコンドリアへの取込について調べ、いずれも効果は確認されなかった。代表的な代謝経路を一通り調べることができ、概ね計画通りに進捗していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの結果から、主な解糖系分岐経路と解糖系下流のミトコンドリア代謝は、CDGCのナイーブ型多能性幹細胞への変化に対する寄与は小さいと考えられる。そこで今後は、まず、解糖系阻害により細胞内のグルコースが増加した際に活性化される、グルコースからフルクトース産生に至るポリオール経路の関与を調べる。そのためにポリオール経路の代謝産物であるソルビトールまたはフルクトースを添加した培地で、ナイーブ化の亢進が見られるかを調べる。またこれまで調べた代謝経路について、代謝阻害剤の濃度が至適ではなかった可能性か考えられるので、異なる濃度の阻害剤の効果を調べる。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)