Project/Area Number |
23K05795
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44020:Developmental biology-related
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
大塚 大輔 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (40632865)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 形態形成 / 力覚 / SHHシグナル / 心臓 / 前脳 / 細胞力覚 / 器官を超えた普遍性 |
Outline of Research at the Start |
本研究では前脳と心臓の形態形成における細胞動態について比較解析を行うことでSHHシグナル依存的な細胞力覚を介した形態形成則 (分子・細胞レベル) のどの部分に共通性があるのかを明らかにする。さらに、SHHシグナル依存的な力覚を実装する分子経路の同定にも取り組む。これらの研究が達成されることにより、モルフォゲンSHHの形態形成における機能が明らかになる。この知見は次世代再生医療において期待されるオルガノイドを用いた臓器再生を達成するための基盤となることが期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
申請者はこれまでにモルフォゲンの形態形成に対する機能 (細胞集団の振る舞いをどのように制御するのか)を明らかにすることを目的として研究を進めてきた。最先端の計測技術と統計的な解析手法を用いて、形態形成プロセスを再構成することに成功し、ニワトリ前脳および心臓においては方向性を持った細胞再配列が必須であることを明らかにした。さらに、前脳においてはモルフォゲンであるSHHが細胞に力覚 (力を感知して、応答する能力) を与えることで極性形成を促し、その結果として細胞集団の運動方向の決定に関与すること (これを以下では「SHHシグナル依存的な力覚を介した形態形成則」と呼ぶ)を明らかにした。心臓でのこれまでの知見も併せて考えると、前脳で明らかになった形態形成則は器官を超えて保存されていることが示唆された。本研究では「SHHシグナル依存的な細胞力覚から明らかにする普遍的形態形成則」を研究課題名とし、 前脳と心臓の比較解析を行うことで形態形成則 (分子・細胞レベル) のどの部分に共通性があるのかを明らかにすることを目指している。 研究課題1の心臓形態形成に関しては、まず、心臓形態形成過程における細胞集団運動の計測系を立ち上げることができた。この計測系を用いて、正常時とSHHシグナル阻害時の細胞集団運動の計測を行なった。また、心臓組織に先行研究と同様に、SHHシグナルの阻害により心臓形態形成に異常が生じることが確認できた。さらに、心臓組織に対して任意の方向に力学刺激を負荷できる実験系の構築を行なった。 研究課題2に関しては前脳シングルセルRNAseq解析のデータから前腹側組織特異的およびSHHシグナル依存的に遺伝子発現が上昇している遺伝子群を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題1では心臓形態形成時の細胞集団運動を計測する必要がある。本年度は正常時およびSHHシグナル阻害時の細胞集団運動の計測系を立ち上げ、各条件につき、複数個体分の計測を行うことができた。現在、細胞軌道データの解析を行なっている最中である。また、心臓組織に対する力学刺激を負荷できる実験系の構築にも成功し、研究は順調に進行中である。 研究課題2に関しては既に取得していたシングルセルRNAseqのデータ解析から、正常時の腹側組織 (SHHシグナル活性化) と背側組織 (SHHシグナルが活性化されていない) の比較および正常時の腹側組織 (SHHシグナル活性化) とSHHシグナル阻害時の腹側組織における発現量の異なる遺伝子を選抜してきた結果、6つの候補因子が選抜されてきた。これらの結果を得られたことから、研究は順調に進行していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題1では本年度に取得した細胞軌道データを用いて、正常時とSHHシグナル阻害時にどの領域の細胞集団運動に違いが出るのかを定量的に明らかにすることを目指す。さらに、構築した外力刺激を負荷できる実験系を用いて心臓組織においても前脳組織でみられたSHH依存的な細胞力覚を介した形態形成則が保存されているのかを明らかにしていく予定である。 研究課題2ではシングルセルRNAseq解析から選抜した候補因子の機能解析を行う。具体的にはまず、各候補因子に対するsiRNAを作成し、エレクトロポレーション法により導入し、形態変化を観察する。次に、候補因子に対する抗体を用いて、各因子が形態形成過程においてリン酸化ミオシンと同様の局在を示すのかを調査する。これらの解析から形態形成における力覚を達成する候補因子が同定できると考えている。
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