Project/Area Number |
23K05796
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44020:Developmental biology-related
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
八田 公平 兵庫県立大学, 理学研究科, 教授 (40183909)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 副交感神経 / 交感神経 / 腸 / 光遺伝学 / ゼブラフィッシュ / PFGFRa / カルシウムイメージング / 脳腸相関 |
Outline of Research at the Start |
腸神経系は脳以外で独立した反射回路をもつ唯一の神経細胞集団であり、腸の内部環境を感じ取り、自立的に運動し、外・内分泌腺を通じて、粘液、消化液や伝達物質などを分泌する。より単純な腸神経系を持ち、一つ一つの細胞の活動と腸の大域的な運動の両方をin vivoで同時に観察できるゼブラフィッシュの幼生は、腸神経系発生・機能を調べるよいモデルになる。本研究では、主にCa2+イメージングと光遺伝学的手法によって、1。機能的な回路が形成される機構、2。ペースメーカー細胞の多様性、3。腸脳相関をつかさどる神経回路の制御を行い、腸において多様な運動を実現する仕組みを、生きた個体内で、単一細胞レベルで明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
腸は第二の脳とも呼ばれ、ニューラルクレスト由来の感覚神経細胞、介在神経細胞、運動神経細胞などが作る神経回路がぜんどう反射などの器官運動を引き起こす。また、非神経系の介在細胞がネットワークを作り、ペースメーカーとして働くことにより、規則正しい腸運動を実限していると考えられている。ゼブラフィッシュはヒトと同じ脊椎動物で、その基本的な体や器官の特徴はよく似ているが、哺乳類では2層ある神経叢がゼブラフィッシュでは1つの層になっていて、神経細胞も神経節のような塊を作らずに散在しているなど、より単純な構造をしている。また、特に幼生の時期には腸付近は透明である。私たちは、このようなゼブラフィッシュの腸を用いて、腸神経系の細胞の移動、分裂、軸索の伸長などの現象や、その活動と器官運動における役割を、一つ一つの細胞レベルで明らかにしてきた。 令和5年度は、これらの研究を継続・発展させるのと同時に、ゼブラフィッシュの腸神経系と自律神経との関係、また、自律神経支配が発生においてどのように進むかをトランスジェニック、抗体染色、光遺伝学によって調べ、学会発表をおこなった。また、腸の部域化に関わる可能性のある、発達中の腸で発現する数十の転写因子を単離して、それらの発現を調べた。さらに、ICCとは異なる介在細胞の一種のマーカー遺伝子である pdgfraのゼブラフィッシュ幼生の腸における発現パタンを明らかにした論文が受理された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自律神経系の発生に関する研究、腸で発現する遺伝子の解析について、ほぼ計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
透明で生きた状態で体内の腸の運動や、腸神経細胞、平滑筋細胞、非神経系の介在細胞を可視化できるゼブラフィッシュの利点を生かし、光遺伝学・カルシウムイメージングと抗体染色を組み合わせ、腸神経細胞と非神経系細胞一つ一つの発生と機能について研究を推し進め、論文を作成する。
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