How do cortical microtubules localize on cell cortex? - toward understanding its regulation and evolutionary implications.
Project/Area Number |
23K05805
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44030:Plant molecular biology and physiology-related
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
日渡 祐二 宮城大学, 食産業学群, 教授 (10373193)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | 微小管 / 微小管関連因子 / 遺伝子破壊 / 細胞内局在 / 細胞伸長 / ヒメツリガネゴケ / ゼニゴケ / シロイヌナズナ / 表層微小管 / コケ植物 / 被子植物 / イメージング |
Outline of Research at the Start |
植物細胞の伸長は、細胞膜に連結する表層微小管によって制御される。微小管と細胞膜の相互作用の分子的実体を明らかにするために、コケ植物ヒメツリガネゴケで細胞質微小管と表層微小管に対して微小管関連因子AIR9やその相互作用因子がどのような機能を持つかを調べ、微小管が細胞表層に存在する分子機構を提唱する。また、表層微小管への進化には、このAIR9を介する分子機構にどのような変化が生じたのかを推定する。
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Outline of Annual Research Achievements |
蛍光タンパク質GFPを用いたPpAIR9a/bの細胞内局在解析により、これらのタンパク質は、原糸体では細胞質微小管、細胞膜、紡錘体、フラグモプラストに、茎葉体では表層微小管、細胞膜、紡錘体、フラグモプラストに局在することがわかった。 PpAIR9a/b二重遺伝子破壊体の表現型解析では、二重変異体の茎葉体がコントロールと比較して小さくなることがわかった。茎の節間細胞を観察すると、細胞が太く短く、形が歪であったことから、ヒメツリガネゴケにおいてAIR9が茎葉体の正常な細胞成長に必要不可欠であることが示唆された。また、原糸体における細胞膜近傍の微小管密度が低下していることから、微小管が細胞膜近傍に局在するためにAIR9機能が必要であることが示唆された。 AIR9の機能獲得型表現型を調べるために、GFPを融合させたPpAIR9aを誘導的に細胞に発現させたところ、GFP-完全長PpAIR9は原糸体細胞で微小管の束化とともに細胞質微小管が消失し、細胞膜近傍の微小管量が増大した。また、PpAIR9a過剰発現系統では細胞膜近傍での微小管束化とダイナミクスの低下が観察された。陸上植物のAIR9機能の共通性を調べるため、シロイヌナズナAtAIR9およびゼニゴケMpAIR9についてもエストロジェン誘導性の発現系統を作出した。MpAIR9過剰発現系統では細胞膜近傍での微小管束化とダイナミクスの低下が観察されたが、AtAIR9過剰発現系統では微小管動態の差異は見られなかった。また、PpAIR9aおよびMpAIR9過剰発現系統において微小管の安定性を調べるために微小管破壊剤を添加したところ、微小管は脱重合せず、安定化していた。これらの結果から、PpAIR9が細胞膜近傍での微小管束化および安定化に関与する因子であり、AIR9がコケ植物では類似した機能を持つことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
抗体を用いた免疫組織染色および免疫電顕解析による局在解析では、抗PpAIR9a抗体の作製に問題が生じている。その原因は、大腸菌を用いた組換えヒメツリガネゴケAIR9aタンパク質(PpAIR9a)の発現が困難であるためである。この問題を回避するために、mycタグを融合したPpAIR9(myc-AIR9a)を細胞内に発現させることを試みている。現在は、myc-PpAIR9a発現コンストラクトをヒメツリガネゴケに導入中である。 欠失型変異PpAIR9aの細胞内局在解析は順調に進んでおり、微小管あるいは細胞膜への局在に必要なPpAIR9aのドメインを特定した。PpAIR9a/b遺伝子破壊体における微小管の表現型解析は、原糸体では順調に進んでいる。一方、茎葉体における微小管の表現型解析では、10枚以上の葉が展開した成熟した茎葉体の茎葉部では、GFPで可視化されている微小管が観察できなかったため、若い茎葉体で茎微小管の表現型を解析中である。成熟した茎葉体での微小管動態を観察するために、新たな微小管可視化系統を作出中である。 遺伝子破壊体に欠失型変異PpAIR9a発現コンストラクトを導入中であり、PpAIR9aによる機能相補性を検討する予定である。また、ゼニゴケAIR9a(MpAIR9)あるいはシロイヌナズナAIR9(AtAIR9)発現コンストラクトを遺伝子破壊体に導入し発現させた系統を作出済みで、MpAIR9やAtAIR9による機能の相補性を検討中である。 免疫沈降による相互作用因子の探索は、抗PpAIR9a抗体の替わりに抗myc抗体を用いるためのmyc-PpAIR9発現系統を作製中である。また、既に作出済みであるGFP-PpAIR9a融合発現系統を用いて、抗GFP抗体を用いた免疫沈降条件を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
抗体を用いた免疫組織染色および免疫電顕解析による局在解析では、タグ抗体(抗GFP抗体)を用いた免疫電顕観察を行い、細胞膜と微小管の連結部にPpAIR9aが蓄積するかを調べる。同様に、相互作用因子の検索についても、タグ抗体(抗GFP抗体および抗myc抗体)を用いて免疫沈降を行い、沈降物の質量分析を実施する。 遺伝子破壊体における微小管の表現型解析では、茎葉体の微小管動態のライブイメージングを可能にするために、茎葉体で微小管が明確に可視化できる系統の作成を早急に行う。この系統を背景に、CRISPR/Cas9法を用いて一重変異体および二重変異体を作出し、茎葉体の微小管表現型を解析する。 GFPを融合した欠失型変異PpAIR9a発現系統では、変異AIR9が蓄積した膜系細胞小器官がどのようなものであるかを、小胞体マーカーやゴルジマーカーなどの分子マーカーを用いて明らかにする。 PpAIR9、MpAIR9およびAtAIR9の過剰発現体では、導入遺伝子の転写産物の蓄積量をRT-qPCRにより定量するとともに、転写産物量と表現型の相関を調べる。また、二重遺伝子破壊系統におけるMpAIR9およびAtAIR9発現による相補性を明らかにするため、細胞形態とともに微小管に対する作用をライブイメージングによって解析する。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)