Project/Area Number |
23K05811
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44030:Plant molecular biology and physiology-related
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
古谷 朋之 立命館大学, 生命科学部, 助教 (10827356)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | コケ植物 / 有性生殖 / 発生 / 転写因子 |
Outline of Research at the Start |
コケ植物は配偶体世代において造卵器や造精器といった配偶子器 (配偶子嚢) を発生する。配偶子器の特に初期発生過程は解析が困難で、その分子メカニズムの解明が待たれている。申請者は、モデルコケ植物ゼニゴケにおいて転写因子MpBZR3の過剰発現することで異所的な配偶子器を人為的に誘導できることを見出している。本研究では、そのシステムをツールとして活用し、初期配偶子器発生プログラムのダイナミクスを包括的かつ詳細に理解する。
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Outline of Annual Research Achievements |
被子植物が胞子体世代において有性生殖器官である花を作り出すのに対し、コケ植物は配偶体世代において造卵器や造精器といった配偶子器 (配偶子嚢) を発生する。近年、モデルコケ植物ゼニゴケにおいて生殖成長過程の分子遺伝学研究が著しく進んでいるが、配偶子器の特に初期発生過程は解析が困難で、その分子メカニズムの解明が待たれている。申請者は、転写因子MpBZR3の過剰発現により異所的な配偶子器を人為的に誘導できることを見出しており、そのシステムを強力なツールとして活用することで、初期配偶子器発生を高解像度に捉えることができると考えた。本研究では、主に誘導型MpBZR3過剰発現体を用いて、配偶子器発生における遺伝子発現やエピジェネティック状態の時系列推移、さらに分子メカニズムの解析を進める。さらに、それを基盤とした分子ネットワークの構築と検証により、初期配偶子器発生プログラムのダイナミクスを包括的かつ詳細に理解することを目的に研究を進めている。 本年度は本課題の基盤となるMpBZR3の過剰発現体および機能欠損変異体の表現型解析、さらには発現解析を進め、論文投稿、改訂を経て論文として受理された(Furuya et al. 2024, Nature Plants; 出版日程により業績としては来年度報告)。この過程でMpBZR3過剰発現体を用いた系時的遺伝子発現解析を進めることができた。また本課題で重要となるMpBZR3のモチーフに着目した解析のための形質転換体の作出、表現型解析を進めた。加えて、MpBZR3のDNA結合能評価など生化学的解析にも取り組み始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究提案の基盤となるMpBZR3のの過剰発現体および機能欠損変異体の表現型解析、さらには発現解析を含めた論文の投稿、改訂に大きく時間がかかり、少し予定より進捗に遅れが出たが、最終的に論文として受理された(Furuya et al. 2024, Nature Plants; 出版日程により業績としては来年度報告)。一方、この過程で、MpBZR3過剰発現体を用いた系時的遺伝子発現解析を進めることができ、研究計画①「初期配偶子器発生過程の遺伝子発現およびエピジェネティック状態のダイナミクス」の一端を遂行できた。また研究計画②「発生プログラムを駆動する分子メカニズム」のためにEARモチーフに変異を導入したMpBZR3の薬剤誘導型過剰発現株等の形質転換体作出が進み、表現型の解析が進んでいる。またMpBZR3の相互作用候補因子との相互作用解析にも取り組み始めることができた。さらにMpBZR3のDNA結合能および結合DNAモチーフの探索なども部分的ではあるが進み始めている。
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Strategy for Future Research Activity |
3つの研究計画のうち、研究計画①「初期配偶子器発生過程の遺伝子発現およびエピジェネティック状態のダイナミクス」のためのMpBZR3過剰発現体を用いた系時的遺伝子発現解析のデータは蓄積しつつある。今後、クロマチン状態の解析などが課題となると思われる。今後、この実験を進めていくための条件を整えていきたい。一方で当初、研究計画①の結果を基盤に進める計画であった研究計画②「発生プログラムを駆動する分子メカニズム」は、すでに現在獲得されている遺伝子発現解析の情報からも部分的にではあるが、ある程度MpBZR3の下流ターゲット遺伝子の絞り込みを進めていくことができるのではないかと思われる結果が得られてきている。そこで、研究計画①と並行して研究計画②の研究を実施していきたい。また研究計画②で得られた形質転換体を利用して遺伝子発現解析のデータ等を収集していくことで、より配偶子器の初期発生過程の分子メカニズムの理解が進むのではないかと考えている。同様に、研究計画③「発生プログラムを支える分子ネットワークの構築と検証」に関しても、研究計画①の部分的なデータを用いて進めていくことはある程度可能なのではないかと考え、現時点での分子ネットワークの構築などを進めていきたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)
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[Presentation] 非典型BZR/BES転写因子MpBZR3によるゼニゴケ配偶子器の発生制御2023
Author(s)
古谷朋之, 三枝菜摘, 山岡尚平, 南野尚紀, 丹羽優喜, 井上佳祐, 山本千愛, 島津舜治, 西浜竜一, 石崎公庸, 上田貴志, 深城英弘, 河内孝之, 福田裕穂, 笠原賢洋, 荒木崇, 近藤侑貴
Organizer
日本植物形態学会第35回総会・大会
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