• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to previous page

Analysis of adrenal steroid receptors in lobe-finned fish

Research Project

Project/Area Number 23K05839
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 44050:Animal physiological chemistry, physiology and behavioral biology-related
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

勝 義直  北海道大学, 理学研究院, 教授 (00332180)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Keywordsステロイドホルモン / 糖質コルチコイド受容体 / 分子進化 / ステロイドホルモン受容体 / 副腎ステロイド / 肉鰭類
Outline of Research at the Start

ステロイドホルモン受容体は、ステロイドホルモンと結合して恒常性維持や生殖、そして行動など多彩な生理作用に深く関わることが判明している。しかし、哺乳類以外の動物種における受容体のリガンド特異性や標的となる遺伝子、生理的役割などはまだ未解明のままである。
本研究では肉鰭類の副腎ステロイド受容体について、リガンド特異性の解析とリガンド特異性に関わる領域の同定、さらに細胞内局在、発現解析を行い硬骨魚類や両生類、哺乳類の受容体との比較を行う。これにより副腎ステロイド受容体の機能進化が明らかとなり、ステロイドによる脊椎動物の内分泌制御機構の成立の全体像の理解に新たな知見をもたらすことが期待される。

Outline of Annual Research Achievements

本研究は、「肉鰭類の副腎ステロイド受容体の解析」を目的として実施されています。ステロイドホルモン受容体は、核内受容体遺伝子スーパーファミリーに属しているホルモン依存的な転写制御因子です。そして、2つのグループである「性ステロイドホルモン受容体」と「副腎ステロイドホルモン受容体」に大別することができます。このうち「副腎ステロイドホルモン受容体」は、ヒトでは代謝・電解質制御・免疫など広範囲の生理作用に関与していることが分かっています。それでは、ヒトが持つステロイドホルモン受容体は生物進化においてどの生物の段階から出現したのでしょうか。また、ヒトで認められる受容体の生理的機能はどの生物でも同じなのでしょうか。このようなステロイドホルモン受容体それ自身と受容体が有する生理機能の成立に関わる根本的な問いかけの答えは今もって得られていません。以上のことを踏まえて、脊椎動物の進化の指標となる生物からのステロイドホルモン受容体遺伝子の単離と受容体タンパク質の機能解析を行います。特に肉鰭類であるハイギョやシーラカンスに着目しステロイドホルモン受容体の解析を進めます。

一般的に副腎ステロイドホルモン受容体は糖質コルチコイド受容体と鉱質コルチコイド受容体の2種類が知られています。本年度は、脊椎動物の進化の指標動物である肉鰭類のハイギョから私たちのグループが単離に成功した副腎ステロイドホルモン受容体である糖質コルチコイド受容体をもちいて、様々なステロイドに対する応答を調べました。その結果、ハイギョの糖質コルチコイド受容体は、別のタイプの副腎ステロイド受容体である鉱質コルチコイド受容体のリガンド(アルドステロン)に強く応答することが判明しました。この結果は、副腎ステロイド受容体の分子進化と適応に関するこれまで知られていない重要な知見を提供するものです。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は本研究助成の1年目であり、これまで当研究室で単離に成功している糖質コルチコイド受容体の機能解析に取り組みました。その結果、ハイギョの糖質コルチコイド受容体は、他の高等脊椎動物の受容体と同様に糖質コルチコイドであるコルチゾールに強く応答しますが、鉱質コルチコイドであるアルドステロンにも強く刺激を受けることが判明しました。アルドステロンは魚類では産生されておらず、ハイギョの段階で新しく合成されるようになったと考えられるステロドホルモンです。ハイギョの糖質コルチコイド受容体が糖質コルチコイドと鉱質コルチコイドの両者に強く反応するという今回の発見は、アルドステロンがまだ明らかにされていない進化の過程で鍵となる因子であることを示唆するものであり、その受容体である副腎ステロイド受容体のさらなる解明が期待されます。以上の結果は、現在、論文投稿の準備を進めており発表されれば世界に大きなインパクトを残すことができると期待しています。
さらに、本研究課題遂行にとって重要な知見であるヤツメウナギのステロイドホルモン受容体に関する成果を上げており、学術論文として発表することができました。ヤツメウナギはハイギョと同じく動物の進化の指標となる生き物であり、そのステロイドホルモン受容体の解析から得られる成果は、ハイギョの受容体の比較対象として欠くことができないものです。
これらのことから「おおむね順調に進展している」と評価しています。

Strategy for Future Research Activity

「肉鰭類の副腎ステロイド受容体の解析」という研究課題を進めるにあたって、私たちの研究グループは、これまでに生物進化の指標となる生物からのステロイドホルモン受容体の遺伝子単離及び機能解析を進めてきました。これまでの進捗状況や研究成果から、この方針は非常に有効であり、多くの知見を得られている、そして今後も得られ続けるであろうと期待しています。そして未だに詳細な解析報告がない肉鰭類を用いた研究は、私たちが受容体遺伝子の単離を先導してきたことから研究の基盤があり、さらなる研究を進めることができると確信しています。本年度の成果としてハイギョから単離した副腎ステロイド受容体の一つである糖質コルチコイド受容体のホルモン依存性を詳細に解析することができました。また同時並行として、肉鰭類と同様に動物進化の指標となる無顎類のヤツメウナギの副腎ステロイド受容体の解析を行っています。

今後は、肉鰭類の他のタイプの副腎ステロイド受容体の解析を進めると同時に、他の生物種との比較をする計画を立てています。
1. 他のタイプの副腎ステロイド受容体として、副腎で生合成される黄体ホルモンやアンドロゲンの受容体の単離と解析を進めます。2. ホルモンに対する応答の種差を調べます。3. アミノ酸変異導入やキメラ受容体の作成を行うことによりホルモン応答に重要な領域や部位の同定を行います。これらの実験を丁寧に掘り下げることで、「肉鰭類の副腎ステロイド受容体」全体像の解明を進めていきます。

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report
  • Research Products

    (4 results)

All 2023 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Int'l Joint Research] University of California(米国)

    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Journal Article] Reduced steroid activation of elephant shark GR and MR after inserting four amino acids from the DNA-binding domain of lamprey corticoid receptor-12023

    • Author(s)
      Katsu Yoshinao、Zhang Jiawen、Baker Michael E.
    • Journal Title

      PLOS ONE

      Volume: 18 Issue: 8 Pages: e0290159-e0290159

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0290159

    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
  • [Presentation] ハイギョのステロイドホルモン受容体とリガンドの解析から脊椎動物の内分泌の進化を探る2023

    • Author(s)
      勝義直、張家聞
    • Organizer
      日本動物学会 山形大会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Remarks] 北海道大学 税色発生生物学講座(勝研究室)

    • URL

      https://www.repdev-katsu.jp/

    • Related Report
      2023 Research-status Report

URL: 

Published: 2023-04-13   Modified: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi