Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
脊椎動物においてカルシトニンは骨代謝を司るホルモンである。カルシトニンは、左右相称動物(前口・後口動物)に広く存在することが知られているが、体温の概日リズムの調整がその共通の作用である可能性が見出された。そこで、本研究では、原始的な左右相称動物とされる珍無腸動物ナイカイムチョウウズムシを用い、この仮説を検証し、前口・後口動物を跨ぐペプチド遺伝子スーパーファミリーの機能進化解明のモデルとする。
本研究の目的は、原始的な左右相称動物と考えられている珍無腸動物を用いカルシトニン(CT)の祖先的機能や、前口・後口動物の分岐に伴うCT機能の進化機構を提唱することにある。左右相称動物に広く存在するCT遺伝子の機能の中で概日リズムの調節がCTの祖先的作用である可能性が見出された。本研究では、原始的な左右相称動物である珍無腸動物ナイカイムチョウウズムシを用いこの仮説を検証する。令和6年度は、ナイカイムチョウウズムシCT(以後Pn-CT)の成長段階における発現局在の違いを検討した。Whole mount in situ hybridization による発現解析では、Pn-CT発現細胞の数が、成長に伴い増えていることが明らかになった。これが成長や成熟に関係するためなのか、成長の結果なのか検討を進めている。加えてPn-CT発現細胞の同定を行なった。In situ hybridization chain reaction (In situ HCR) により Pn-CT mRNAと、GABAニューロンのマーカー遺伝子であるglutamic acid decarboxylase (GAD) mRNAとの二重染色を行なった結果、Pn-CT 発現神経が、GAD陽性神経の近傍に位置することが明らかになった。Pn-CT発現神経とGABA作動性神経との作用が考えられる。今後は、Pn-CT神経で発現する遺伝子を明らかにするために、他の神経伝達物関連遺伝子をマーカーとしたIn situ HCRの二重染色を行う予定である。Pn-CTのペプチドを合成した。さらにPn-CTの受容体候補であるPn-CTRの発現ベクターを作製した。今後、これらを用いリガンドー受容体解析を行う予定である。またナイカイムチョウウズムシの時計遺伝子の同定を行なった。これらが概日リズムに沿った発現パターンを示すか検討する予定である。
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
In situ HCRにより、Pn-CT発現神経がGABA作動性神経と関連が深いことを示唆するデータを得ることができた。運動との関連を検討する。またPn-CTの機能解析につながる基礎データとして成長・成熟との関連性を見出した。さらに受容体決定のための準備が完了した。
今後は、Pn-CTと概日リズムとの関連を調べる。ムチョウウズムシを12時間明暗サイクルで飼育し、Pn-CTの継時的な発現変動を検討する。発現変動がある場合は、Pn-CT投与によりリズムが変化するか検討する。その際、時計遺伝子をマーカーとする。さらにPn-CTによる成長についても検討する。Pn-CTを添加、RNA-seqを行い、成長や代謝に関係する遺伝子の上昇の有無を調べる。
All 2024 2023
All Journal Article (7 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Peer Reviewed: 7 results, Open Access: 4 results) Presentation (3 results) (of which Invited: 1 results) Book (3 results)
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