Project/Area Number |
23K05851
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44050:Animal physiological chemistry, physiology and behavioral biology-related
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
竹内 栄 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (20226989)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
|
Keywords | 羽形成 / 雌雄差形成 / メラノコルチン系 / プロラクチン系 / 甲状腺ホルモン系 / ニワトリ / ホルモン / 換羽 / 色模様形成 |
Outline of Research at the Start |
動物の毛や鳥の羽のような皮膚付属器は,性選択を含む様々な淘汰圧を受ける生物学的に極めて重要な構造体である。適切な皮膚付属器をタイムリーに形成するためのホルモン系とはどのようなものなのだろうか。本研究は,ニワトリの羽形成をモデル系として用い,羽形成を司るホルモン系の全体像を明らかにしようという試みである。皮膚付属器形成制御のしくみの理解は,生物の環境適応や生殖行動のホルモン制御の理解に繋がると共に,AGA治療や脱毛といったヒトの毛形成制御への応用が期待できるため,本研究の遂行は基礎学問分野だけではなく応用分野にとっても重要であると言える。
|
Outline of Annual Research Achievements |
鳥類の羽は,ヒトの毛と同様にケラチンを産生・蓄積したケラチノサイトの死細胞から成る皮膚付属器であり,体温調節や外界刺激からの保護,保護色や婚姻色の表現など,生物学的に重要な役割を果たしています。その形成については古くから盛んな研究がなされ,形態や色の性差,形成周期やタイミングを制御する様々なホルモンが同定されてきました。しかし,それらのホルモン間の相互関係やクロストークなど,羽形成を制御するホルモン系の全体像は今なお明らかになっていません。 本研究では,ニワトリ初生雛の翼羽形成をモデル系として用い,換羽誘導因子とされるプロラクチンをはじめとするホルモンの相互関係を解析し,鳥類内分泌学の主要な未解決問題のひとつである「換羽ホルモンは何か」の解明に迫ります。さらに,羽の性差形成の仕組みの解明と合わせ,羽形成を制御するホルモン系の構造化を目指します。
本研究の初年度であるR5年度には,プロラクチン投与による羽髄細胞における関連遺伝子群の発現動態をリアルタイムPCRにより調査しました。その結果,プロラクチン情報系に関与する遅羽遺伝子を持つ個体で観察された発現変化を裏付ける結果が得られました。このことは,ホルモン間の相互関係やクロストークなど,羽形成を制御するホルモン系の全体像の解明に向けて着実な進歩であると言えます。また,学生によるこの成果の学会発表では,学会賞(若手研究者優秀発表賞)を受賞しました。さらに,羽髄細胞には甲状腺ホルモン受容体であるTHRAおよびTHRBが発現し,甲状腺ホルモン投与によりプロオピオメラノコルチン(POMC)発現が亢進することが明らかとなりました。これまでの研究成果と合わせ,羽の性差形成の仕組みに関する論文を投稿しました。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の実験計画のうち,R5年度の主なものは,プロラクチン受容体を発現する羽髄細胞へのプロラクチン投与により,特定の遺伝子発現が更新することを検証するものでした。この実験に関しては,当初予定していた実験をすべて終えることができ,かつ,期待する結果が得られました。一点,羽包ケラチノサイトの培養を予定していましたが,こちらについては都合でできませんでした。また,従来の研究で欠けていた実験(甲状腺ホルモン投与によるPOMC発現の影響の解明)を実施することができ,論文投稿まで進めることができました。以上を総合的に判断して,順調であると評価しました。
|
Strategy for Future Research Activity |
初生雛へのホルモン投与や,受容体遮断薬の投与によって羽形成がどのような影響を受けるのかを明らかにすることで,羽形成制御の作用機序を明らかにする。
|