Function and control mechanism of the fore- and hindwing coupling in Lepidoptera
Project/Area Number |
23K05854
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44050:Animal physiological chemistry, physiology and behavioral biology-related
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Research Institution | Maebashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
安藤 規泰 前橋工科大学, 工学部, 准教授 (70436591)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 昆虫 / 羽ばたき飛行 / 接着機構 / チョウ / 高速度撮影 / 鱗粉 / 飛翔筋 |
Outline of Research at the Start |
チョウ目昆虫は4枚の翅で飛行するが,前翅と後翅を同期させて羽ばたくため,あたかも1対の翅で飛行しているように見える。一方,翅を動かす飛翔筋は前翅と後翅それぞれに存在するため,飛行中に前後翅からなる1枚翅の形状を変えて飛行することが予想される。この仮説を検証するために,前後翅の駆動メカニズムと羽ばたき飛行における機能の解析を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は前翅と後翅を機械的に接続するリンク部位の解析を行った。対象とするアサギマダラのリンク部位は前翅後縁裏面および後翅前縁表面に存在するが,顕微鏡観察により特徴的なサメの歯状の鱗粉構造を確認した。このサメの歯状の鱗粉構造と通常の円形の鱗粉構造の境界は翅脈とは限らず,リンク部位のみに存在したことから,面ファスナーのような接着機構と考えられる。 次に,このサメの歯状の鱗粉構造の前翅・後翅の結合に果たす機械的な役割を明らかにするために,鱗粉の有無と両翅の結合強度を評価した。チョウ目の前翅と後翅は,ハチ目のように翅の外縁で明確なジッパー構造で結合しているのではなく,後翅の上に前翅が重なるスタイルであり,前述の鱗粉構造のほかには明確な結合機構は見当たらない。したがって,このサメの歯状の鱗粉構造が,リンク部位における両翅の摩擦を生み出していると予想した。実験では,後翅をロードセルに固定し,実際の羽ばたきと同様に後翅上面から前翅を下ろし,両翅が接触した状態から離れる際に加わる最大の力を両翅の結合解離力と定義し計測した。実験の結果,リンク部位に存在する鱗粉を除去すると結合解離力が有意に低下することが示され,鱗粉が前後翅の結合に関わっていることが示唆された。次年度からは鱗粉除去後の前後翅の運動の変化を自由飛行で解析する予定である。 その他,自由飛行での実験の準備として筋電位計測手法と解析方法の検討,三次元の翅運動を高速度撮影データから計算するためのプログラム作成を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前後翅の結合強度を評価するための力学計測系を検討し,鱗粉の有無が結合解離力に影響を与えることが示唆された。力学計測は初年度の重要な研究項目であり,計測方法が課題であったが,ロードセルとレーザー変位計を組み合わせることで,手動操作で精度を高めることができた。この成果により次年度以降の自由飛行計測をスタートすることができるため,研究は順調に進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の成果に基づき,まず自由飛行における前後翅運動を,リンク部位の鱗粉の有無で解析する。より精密な翅運動を定量化するため,高速度カメラを追加し,死角のない撮影を目指す。また知見の乏しい後翅の飛翔筋活動を明らかにするために,昆虫を固定した拘束飛行での計測から始める予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)