Project/Area Number |
23K05860
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44050:Animal physiological chemistry, physiology and behavioral biology-related
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
服部 聡子 愛知医科大学, 研究創出支援センター, 准教授 (00415564)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 行動解析 / マウス / 行動表現型 / データ駆動型 |
Outline of Research at the Start |
我々は、相手の細かな動きから、情動や思考などを推測できる場合があることを経験的に知っている。実際に、生命科学分野において学術研究目的で行う行動テストでは、実験者によって観察されるげっ歯類などの動物の動きや反応を用いて、脳の機能を評価している。本研究では、マウスの細かな動き情報をデータ要素とした行動表現型の新しい評価方法を開発する。取得した時間的、空間的な解像度の高い数値データに対するデータ駆動型解析により、新規の行動指標を導出し、新しい脳機能の評価方法の確立を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
我々は、相手の細かな動きから情動や思考などを推測できる場合があることを経験的に知っている。実際に、学術研究目的で行う行動解析では、実験者によって観察されるげっ歯類などの動物の動きや反応を用いて脳の機能を評価している。しかし、これまでは動物の動き情報の一部を利用した仮説駆動型の行動解析が主流となっており、観察される動き情報の多くは活用されていなかった。そこで本研究では、マウスの細微な多次元の動き情報をデータ要素とした行動表現型の新しい評価方法を開発することを目的とする。 研究開始初年度である本年度は、基礎的な行動解析手法であるオープンフィールドテストに対して、再現性の高いデータの取得が可能な環境の構築、実験条件の検討を行った。標準的な近交系マウスであるC57BL/6Jを用いて、実験時間帯や照度などが異なる様々な実験条件・環境下でオープンフィールドテストを行い、従来の行動指標を評価基準とした解析により、評価系構築のための至適条件を検討し絞り込みを行った。これにより、今後の実験の基準となるプロトコルを作成した。また、取得したデータに対して機械学習を用いた解析を行い、時間的、空間的解像度の高い動物の細微な動き情報(体の各部位の三次元位置情報、顔や体の向きなど)を含む、新しい行動指標となり得るパラメータの探索を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始初年度である本年度は、温度、照度、臭気、騒音等を可能な範囲で調整できる実験環境を整備し、安定して再現性の高いデータの取得が可能な環境の構築を行った。構築した環境下において、標準的な近交系マウスであるC57BL/6Jを用いて、基礎的な行動解析手法であるオープンフィールドテストを行い、新しい行動指標の評価系構築のための至適条件を検討を行った。実験時間帯や照度などが異なる様々な実験条件下で取得した行動データに対して、従来の行動指標を評価基準とした解析を行い、それらのパラメータの違いによる行動への影響を検討するとともに、今後の実験の基準となるプロトコルを作成した。また、取得したデータに対して機械学習を用いた解析を行い、時間的、空間的解像度の高い動物の細微な動き情報(体の各部位の三次元位置情報、顔や体の向きなど)を抽出し、新しい行動指標となり得るパラメータの探索を行った。研究代表者の異動により、実験環境を一から構築するところから始めることとなり、実験系の立ち上げを含めた試行錯誤を多く行うこととなったが、概ね計画通り順調に進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度以降は、近交系マウスであるC57BL/6Jに対して、抗不安薬や記憶形成を阻害するタンパク質合成阻害剤、各種受容体の作動薬・阻害薬等を投与し、今回作成したプロトコルに従って行動データを取得する。得られたデータに対して機械学習または統計学的分析を行うことにより、新しい行動指標の導出と妥当性の評価を行う。本年度実施した実験条件の検討および、新しい評価指標の導出は、本研究の成否における重要なポイントであるため十分に時間をかけ、場合によってはよりよい実験条件の再検討を行う。
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