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北海道産アザミ類植物(キク科)の起源と多様性獲得の解析

Research Project

Project/Area Number 23K05887
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 45030:Biodiversity and systematics-related
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

伊藤 元己  東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任研究員 (00193524)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 上原 浩一  千葉大学, 大学院国際学術研究院, 教授 (20221799)
Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Keywordsアザミ属 / 北海道 / 種分化 / Cirsium / キク科 / 分子系統学
Outline of Research at the Start

キク科アザミ属の1節であるナンブアザミ節(以下アザミ類と呼ぶ)の日本在来種は実に117種におよび、その大多数は日本固有である。葉緑体全ゲノム配列による系統解析では、北海道産のアザミ類は本州産アザミ類とは異なる系統であることが明らかになっている。この目的のため、次世代シークエンサーを用いたゲノムスキミング、MIG-Seq法などを使用し、従来法に比べはるかに高解像度な系統解析や遺伝構造解析を行う。また、形態形質について、個体内、集団内個体間、集団間の変異を統計的に解析する。両者を合わせて検討することにより、植物の多様化様式の解明と現代的な分類体系確立を行う。

Outline of Annual Research Achievements

2023年度は、7月に北海道の日高地方、道東、上川地方、9月に道南へのフィールド調査に出かけ、北海道産のアザミ類について、形態変異解析用の試料、ゲノムサイズ測定用の生葉、DNA解析用の試料の採取を行った。
採取した生葉はフローサイトメーターによりゲノムサイズを測定し、倍数性の推定を行った。その結果、2倍体、3倍体、4倍体が存在することが明らかになり、対象の各分類群の倍数性が明らかになった。
今回採取したサンプル、およびこれまでに収集した北海道産アザミ類について、乾燥葉からDNAを抽出し、MIG-seq法によりゲノムワイドのSNPsによる遺伝的解析を行った。その結果得られた系統ネットワーク図およびNJ法により作成した系統樹から、葉緑体全ゲノム配列から明らかになった北海道系統のナンブアザミ類は単系統となり、北海道に産する本州系統のナンブアザミ類とは大きな遺伝的分化が見られた。さらに北海道系統群内の遺伝的分化は遺伝的分化が極めて低く、比較的新しい時代の分化であると推定される。また、4倍体の植物(広義のチシマアザミ)は、種単位ではなく、地域ごとに緩やかなまとまりが見られた。これは、現在種として認識しているまとまりは、進化過程を反映していない、あるいは地域内での交雑が頻繁に起こっている可能性が予測される。2倍体の種では、広義のエゾノサワアザミに含まれていた種は蛇紋岩地域に分布するチカブミアザミおよび未記載の森林性のエゾノサワアザミ近縁種と共に単系統群を形成した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

北海道の道南、日高地方、道東、上川地方における2度のフィールド調査により、143個体という十分なサンプルを入手することができた。その試料を用いてフローサイトメーターによるゲノムサイズ測定により、北海道産アザミ属植物の74個体の倍数性が決定でき、初年度としては十分な種数について倍数性を明らかにできた。これにより北海道産のアザミ属植物でゲノムサイズが未測定の種はリシリアザミとテシオアザミの2種のみとなり、これらは2024年度に試料を入手する予定である。全体の遺伝的解析については、MIG-seq法により得られたSNPsによって系統関係の概要を明らかにすることができた。まだ、予備的な解析ではあるが、その結果から、葉緑体全ゲノム塩基配列によって明らかになったナンブアザミ節植物の北海道系統が本州系統とは大きく遺伝的に分化していることが確認された。また、北海道系統は遺伝的分化が低く、従来の分類での種の取り扱いを再検討する必要がある事が明らかになった。

Strategy for Future Research Activity

2024年度はまだフィールド調査を行なっていない道北地域を中心に試料のサンプリングを行う予定である。特に利尻島に固有のリシリアザミについては、北海道系統であるか、本州系統であるかが未調査であるため、優先的に試料の収集を試みる。また、これまでの解析で単系統性が明らかになった2倍体種のエゾノサワアザミ群についてはサンプリングが十分でないために追加サンプルの収集を試みる。これらの試料を合わせてより詳細なMIG-seq解析を行い、北海道全域のアザミ属植物の遺伝的分化を明らかにする予定である。また、2023年度および2024年度のフィールド調査において収集した試料および国立科学博物館に収蔵されている標本を用い、頭花の形態について検討を行う。従来の分類において重要視されてきた総苞片の形態を中心として、個体内、集団内及び集団間の変異を明らかにし、遺伝的分化の情報を加味して、種の範囲をどのようにするかを検討し、北海道産アザミ類の分類について再検討を行う予定である。

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report
  • Research Products

    (2 results)

All 2024 2023

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 北海道産アザミ属植物の分類学的再検討2024

    • Author(s)
      伊藤元己・佐々木敬司・川井絢子・堀江健二・廣田峻 ・陶山佳久・上原浩一
    • Organizer
      日本植物分類学会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] すべての北海道に産するナンブアザミ節のアザミ類は、本州のアザミ類と別系統か?2023

    • Author(s)
      伊藤元己・倉田正観・川井絢子・・上原浩一
    • Organizer
      日本植物学会
    • Related Report
      2023 Research-status Report

URL: 

Published: 2023-04-13   Modified: 2024-12-25  

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