Project/Area Number |
23K05890
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 45030:Biodiversity and systematics-related
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
松林 圭 酪農学園大学, 農食環境学群, 講師 (60528256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 誠 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (70414357)
藤山 直之 山形大学, 理学部, 教授 (90360958)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 生態的種分化 / 雑種種分化 / 寄主植物 / 忌避 / 二次代謝物質 / 種分化 / 寄主特異性 / 忌避物質 / 交雑 |
Outline of Research at the Start |
寄主植物への適応による種分化は、植食性昆虫の多様化の重要な基盤になっているが、その機構については不明な点が多く、特に利用する寄主植物の幅が狭くなる“特殊化”の遺伝的・生理的機構の解明はほとんど進んでいない。本研究では、ルイヨウボタン専食種であるルイヨウマダラテントウが、同所的に生息する近縁な別種テントウの食草であるアザミの成分に対して強い忌避を示すという最近の発見をキーとして、種分化の核心となるアザミへの忌避に関わる二次代謝物質とテントウムシの遺伝子を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度は諸事情あって飼育実験が困難であったため、野外調査以外では飼育や食性試験のための環境準備と、集団遺伝学的解析のベースとなるSSRマーカーの作成を行った。 野外では、これまでより広い範囲に渡って北海道南部のルイヨウマダラテントウの分布調査を行い、小規模ながら新たな小集団を発見した。一方、過去に分布が確認されていた一か所で植林の伐採により集団が見られなくなっていた。 実験環境の準備としては、これまで維持管理していた実験用植物であるセイヨウヤマホロシの他に、北海道南部地方からミネアザミを移植して育成した。SSRマーカーはゲノム情報の得られている近縁なヤマトアザミテントウの全ゲノム配列から2塩基繰り返しモチーフの配列を探し、20個の候補配列とプライマーを作成して、多型のあるマーカーを12個選定した。その後、今回の計画で用いるルイヨウマダラテントウでこの12個のマーカーの多型性を調査している。このSSRマーカーは植食性テントウムシで初めて得られるタイプのマーカーであり、安価に集団分化の程度や遺伝子流動を調査するために有用なツールとなるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属大学の異動によって研究環境が大きく変わったため、初年度にテントウムシの飼育が行えなかった。そのため本年度は主にテントウムシの飼育設備や食性実験に用いる食草の準備に充てた。具体的には新しい所属機関で恒温の飼育室が使用できなかったため、インキュベーターを入手する必要があったほか、共通実験室の機器類も乏しかったため、DNAを扱うための機材を一通りそろえた。また室内での分子実験としてDNAを用いた集団遺伝解析のベースとなるSSRマーカーの作成を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に一通りのセッティングができたため、次年度からは当初の予定通り食性に関わる二次代謝物質の検出を始める。
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