Project/Area Number |
23K05894
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 45030:Biodiversity and systematics-related
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Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
瀧下 清貴 福岡女子大学, 国際文理学部, 教授 (90392951)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 繊毛虫 / 原生生物 / 寄生 / 干潟 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,干潟の代表的な軟体動物であるアサリおよびウミニナを対象とし,それらに寄生していると考えられる未知繊毛虫の細胞形態や寄生様式等の実態について明らかにすることを目的とする。特に以下の4点に注目して研究を進める。 1) 細胞はどのような形態をしているのか?既知のスイクダムシ類とどこが違うのか? 2) 宿主への感染率はどの程度なのか?生息場所や宿主によって感染率は異なるのか? 3) 宿主のどこに局在しているのか?宿主の体内なのか?体表面なのか? 4) 宿主に悪影響を与えているのか?感染強度が高い場合,宿主の組織に影響はあるのか?
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Outline of Annual Research Achievements |
和白干潟(2023年4月19日と2023年9月28日と津屋崎干潟(2023年3月22日)でアサリを採取し,鰓組織(0.02 g)からDNeasy Blood & Tissue Kit(QIAGEN)を用いてトータルDNAを抽出した。新規繊毛虫類の18S rRNA遺伝子配列(WJR_C1, WJR_C2)に基づき,それぞれに特異的なプライマーをデザインした。HotstarTaq Plus Master Mix Kit(QIAGEN)を用いてPCR増幅を行い,増幅バンドの有無により各地点・時期の感染率を算出した。その結果,WJR_C1のPCRによる検出率は和白干潟のアサリで74.4%(39個体中29個体),津屋崎干潟のアサリで0%(15個体中0個体)であった。WJR_C2の検出率は和白干潟のアサリで2.6%(39個体中1個体),津屋崎干潟で0%(15個体中0個体)であった。 さらに,WJR_C1がgenomic PCRで検出されたアサリ(2個体)の鰓組織から ISOSPIN Cell & Tissue RNA(NIPPON GENE)を用いてトータルRNAを抽出した。SuperScript IV First-Strand Synthesis System (Thermo Fisher)を用いてcDNAを合成した。そのcDNAを鋳型としてWJR_C1特異的プライマーを用いたPCR検出を行った結果,目的とする増幅産物を得た。ネガティブコントロールとして逆転写を行わなかったトータルRNAを鋳型としてPCRを行った結果,目的とする増幅産物は得られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は未知繊毛虫(WJR_C1, WJR_C2)の感染率を明らかにすることを目的としていたが,予定どおり感染率を示すことができた。さらに,RT-PCRによりWJR_C1のcDNA断片の増幅が確認されたため,rRNA遺伝子は実際に発現しており,WJR_C1繊毛虫は代謝的に活性があることが示された。
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Strategy for Future Research Activity |
WJR_C1がPCR検出されたアサリにおいて鰓組織切片標本を作成し,WJR_C1に特異的なDIG標識DNAオリゴプローブあるいはDIG標識RNAロングプローブを用いたin situハイブリダイゼーションを行うことによって,宿主内におけるWJR_C1繊毛虫の局在性および感染強度を確認する。
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