Project/Area Number |
23K05906
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 45030:Biodiversity and systematics-related
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
後藤 龍太郎 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 助教 (50725265)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
|
Keywords | 宿主内種分化 / 種分化 / 多様化 / 共生 / 分子系統解析 / 二枚貝 / ニッチ分化 / 軟体動物 |
Outline of Research at the Start |
寄生・共生生物は地球上の生物の種多様性の大きな割合を占める。そして、これらの生物の多様化機構として、同一宿主内でのニッチ分化が起点となり起こる種分化(宿主内種分化)が知られている。しかし、その理解は遅れている。本研究では、同一宿主を利用する海産共生貝類の近縁種群を対象として、(1)分子系統解析に基づく詳細な種分化パターンの推定、(2)ニッチ分化の検証、を実施し、宿主内種分化の実態解明を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
他の生物に寄生・共生する生物は極めて種数が多く、地球上の生物多様性の根幹をなす。これらの生物の多様化機構の一つとして、宿主内でのニッチ分化が起点となって起こる種分化(宿主内種分化)が知られている。しかし、宿主転換や共種分化など他の多様化機構に比べて、知見が乏しく理解が遅れている現状にある。ウロコガイ科は浅海で著しい多様化を遂げた二枚貝類の一群で、他の動物の巣穴や体表などに片利共生する種を数多く含む。本科の共生性種には、宿主内種分化で多様化を遂げた可能性が高い例が複数見られる。本研究では、宿主内種分化プロセスの理解を目指し、ウロコガイ科の共生性種を主な対象として系統解析による種分化パターンの推定と野外調査によるニッチ分化の検証を実施する。2023年度は、解析用のサンプル採集及び生態データの収集を目的として、本州(紀伊半島)、南西諸島(奄美大島)、瀬戸内海、四国、九州などで国内調査を行った。また、オーストラリアやグアムにおいても海外調査を行った。さらに共同研究者からもサンプル提供の協力を得た。標本については、形態にて種同定を行うほか分子情報を得るためにDNA抽出などを進めている。研究成果については、日本ベントス学会などの国内学会で発表を行ったほか、ケンブリッジ大学で開催された二枚貝類の国際学会「Bivalves 2023 Where are we going?」やグアム大学でのシンポジウムなどでも発表も行った。また、北米の共同研究者の来訪があり議論を通じて研究を進展させることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
国内各地および海外での野外調査が順調に進み、解析上重要なサンプルを数多く得られた。また、共同研究者からも標本の提供を受けた。これらのサンプルを解析に加えることでより詳細な系統推定が可能となると考えられる。また、国内及び海外の学会に参加し多くの有意義なコメントやアドバイスを得られたほか、北米から共同研究者の来訪があり、有意義な議論を通して研究を進展させることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度は国内および海外での調査によって多くの標本を得ることができた。これらのサンプルからDNA抽出を進めるとともに系統解析に取り組む。生態情報の解析も進める。不足しているサンプルやデータについては野外調査によって補完する。研究成果は順次論文化を進めていく。
|