Project/Area Number |
23K05911
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 45030:Biodiversity and systematics-related
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
伴 光哲 帯広畜産大学, 畜産学部, 客員研究員 (10847932)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | カメムシ / 土壌生態系 / 分類 / 食性 / 生物多様性保全 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、土壌生態系中で豊富な種多様性を有し、かつ様々な生態的地位を占める証拠が集まってきたカメムシ目昆虫に着目する。1. 土壌中のカメムシ群集の多様性を調査し、未記載種を新種として記載する。2. 個々の種が利用する餌資源を直接突き止め、カメムシと被食者の相互関係を示し、各種の生態的地位を特定する。これらの結果を総合し、カメムシの特性を活かした、土壌生態系の生物多様性保全のための情報基盤を構築・整備する。土壌中の生物多様性についての包括的な理解と多角的な評価を可能にし、効果的な保全策の提案につなげることを企図している。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、土壌性カメムシの種多様性と各種の食性を解明すること。その情報をもとに、カメムシと被食者の相互関係を示し、土壌生態系中での生態的地位を特定することである。 今年度は標本調査、野外調査、サンプルの整理と観察、研究成果の公表を行った。 標本調査は、既に有している標本に加え、帯広畜産大学、千葉県立中央博物館で実施した。その結果、ヒョウタンナガカメムシ科の複数の未同定種や、国内からの記録が過去1例のみであったSphragisticus nebulosusの標本を見出した。野外調査は、北海道、千葉県、三重県、滋賀県、高知県、佐賀県、西表島で実施した。その結果、未記載種を含む5科約70種約3,000個体の土壌性カメムシを採集した。また、これまで食性が解明されていなかった10種について、寄主植物を解明した。寄主利用が確認された植物の分類群は、イネ科、カヤツリグサ科、クワ科であった。採集されたサンプルは、形態学・分類学的検討を行うための乾燥標本、DNA解析用のアルコール液浸標本に分け、標本作成と形態観察を進めている。 論文は3編投稿し、うちヒョウタンナガカメムシ科のチビナガカメムシ属に関する分類学的検討の結果を取りまとめ、1新種を記載した1編と、北海道におけるヒョウタンナガカメムシ科の未記録種と記録が少ない種について取りまとめた1編の、合計2編が公表された。 学会発表は、論文として公表したチビナガカメムシ属に関する内容に関するものと、日本未記録属となるヒョウタンナガカメムシ科の種について、分類学的位置、食性、幼虫形態を明らかにしたものの、合計2件を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地調査は概ね予定通りにこなすことができ、標本や新知見も順調に得られていること、成果の公表も当初の想定通りに進んでいることから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
ライフイベントの発生により、今年度前半に予定していた現地調査や標本調査を先送りするが、既に得られた標本の検討やDNA解析、論文執筆や群集構成種のリスト化等、知見の取りまとめや公表に関する作業に注力し、研究課題の円滑な進行に努めたい。
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