Project/Area Number |
23K05917
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 45040:Ecology and environment-related
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
佐藤 綾 群馬大学, 共同教育学部, 准教授 (00611245)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 配偶者選択 / 認知能力 / グッピー / オスの性的形質 / 体色 / 性淘汰 / 性的形質 / 識別能力 |
Outline of Research at the Start |
グッピーは雄のみが体に橙色の斑紋を持っており、雌は橙色が大きい雄と配偶することで適応的利益を得ている。雄の斑紋は大きさや数が単純なものから複雑なものまで多様である。これまでの知見を踏まえると、もしグッピーの雌の認知能力が配偶者選好性と関連していれば、認知能力が高い雌は、より高い適応度をもたらす雄と選択的に配偶できるが子への投資量が少なく、認知能力が低いメスはより高い適応度をもたらす雄を識別できないが、子へ多く投資する、という関係が予測される。本研究では、雌の識別能力を計測し、雌の識別能力が雄の体色に対する配偶者選好性や繁殖への投資とどのような関係にあるのかを検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、グッピー<i>Poecilira reticurata</i>の配偶者選択について、メスがもつ認知能力の個体差がオスの体色に対する選好性の個体差を説明するかどうかを明らかにすることである。もし、それらの間の関係性が示されれば、平均してメスは特定の形質を持つ雄への選り好みを示す一方で、集団中ではオスのその形質に多様性が維持されている1つのメカニズムを説明することが可能となる。そのための第1段階として、メスの配偶者選好性と認知能力の関係を検討するための実験を現在進めている。 本年度はメスの配偶者選好性を数量化するため、水槽内のメスの動きを自動でトラッキングするシステムを確立した。このカメラシステムを使用することで、提示したオスに対するメスの行動を数量化することができる。また、メスの認知能力を数量化するための実験システムを確立した。過去に本種で報告されていた数の識別と面積の識別についての能力を測る手法を参考に、グッピーのオスが持つ体色のパターンを識別できるかどうかを評価するための実験手法を設定した。この手法では条件付けによる学習を供試魚に行わせる。当初、この学習を自動で行うシステムの確立を目指していたが、実験の進捗状況を鑑み、マニュアルで実施することとした。 グッピーのメスの認知能力については、対捕食者能力としての群形成や採餌などとの関係性が示されている。一方で、配偶者選択との関係性については実証研究が行われていない。本研究の成果により、メスの認知能力について、生存に関する形質との関連だけでなく、繁殖に関わる形質との関係も含めて考察することが可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の第一段階については実験手法が確立し、サンプルサイズを増やすことで実験の目的を達成することが可能であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
メスの配偶者選好性と認知能力の関係については、実験手法が確立したため、今後、サンプルサイズを増やす予定である。研究2年目のうちに統計解析に必要なデータ収集を終えることを計画している。こちらの実験については、当初自動で実施する予定であった学習実験を人手で行うこととした。学習実験は連続して継続的に行わなくてはいけないが、その時間と人手の確保が課題である。 本研究では、上記の関係性を明らかにした後、認知能力の低いメス個体と高いメス個体で、繁殖への投資量や産む子の形質に差があるのかを検討する予定である。当初、実験室でペアリングすることでその関係性を調べる予定であったが、実際には、野外で配偶したメスの産子形質と認知能力を調べることに計画を修正した。そうすることで、実際の生息環境でのメスの配偶者選好性と繁殖形質を検討できる。
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