Project/Area Number |
23K05921
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 45040:Ecology and environment-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
保坂 哲朗 広島大学, 先進理工系科学研究科(国), 准教授 (50626190)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 植物ー昆虫相互作用 / 群集 / 熱帯林 / 種子食性昆虫 / 一斉開花 / 植物―昆虫相互作用 / マレーシア |
Outline of Research at the Start |
昆虫による種子食害は植物の群集動態に大きな影響を与える可能性がある。しかし、熱帯雨林の多くの植物についてどの昆虫が種子を食害するのかさえ分かっていない。したがって、本研究はマレーシア低地熱帯雨林における植物―種子食昆虫相互作用系を群集レベルで理解するため、種子食昆虫の網羅的調査(対象樹木100種以上)を行い、それぞれの植物種が種子食昆虫を介してどのような影響を及ぼし合っているのかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
昆虫による種子の食害は、植物個体の繁殖成功を通して、植物個体群や群集全体にも大きなインパクトを与えうる。特に生物多様性が高く、生物間相互作用が強く働いている熱帯雨林では、種子食昆虫が植物群集に与える影響も大きい可能性がある。しかしながら、熱帯雨林の種子食昆虫については調査事例が少なく、大半の樹種についてどんな昆虫が種子を食害しているのかさえ不明な状況である。特に東南アジア低地熱帯雨林は多くの樹種が数年に一度しか開花しないことで知られており、種子食昆虫についての情報は非常に乏しい。したがって、本研究はマレーシア低地熱帯雨林における植物―種子食昆虫相互作用系を群集レベルで理解するため、種子食昆虫の網羅的調査(対象樹木100種以上)を行い、その寄主幅や食害率を明らかにし、種子食昆虫ネットワークモデルの構築・解析を行う。具体的には、マレーシア低地熱帯雨林において、①果実/種子の形質データベースの構築 ②種子食性昆虫データベースの構築 ③種子食昆虫ネットワークモデルの構築・解析に取り組む。 研究初年度である2023年度は結実種が少なく、あまり多くの種は得られなかったが(全8樹種)、予定通り果実のサンプリング、果実/種子の形質の測定、種子食性昆虫のサンプリングなどを行った。種子の多くは種子食性昆虫が見られなかったが、Eugenia sp.(フトモモ科)からは高い頻度で複数種のゾウムシ類(Alcidodes属とDamnux属)が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は予想していたよりも結実樹種が少なく、サンプル数としてはあまり得ることができなかったが、これまで調査できていない新たな種をサンプルに加えることができたことで、Eugenia属などはフタバガキ科と類似した種子食昆虫相がより明確になった。また、大学や研究所とのネットワークも広がり、研究目的の到達に必要な種子食性昆虫の飼育や種子の化学成分分析に関してサポートが得られるようになったことは、今後の研究の進捗にとって大きい。また、生態学会年次大会では種子食性昆虫に関するシンポジウムを企画し、本研究成果の一部を発表した。したがって、初年度としては順調な滑り出しだと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年4月現在で、調査地では今年度よりも多くの樹種の開花・結実が見られており、数か月後に多様な樹種の種子がサンプリングできる可能性が高い。したがって、来年度は今年度よりもインテンシブなサンプリングを行い、種子の形質と種子食性昆虫相のデータを収集したい。また、これまでの調査ではすでに新種・未記載種とみられる種子食昆虫が複数見つかっており、これらを標本化し、国内外の専門家に同定・記載依頼を行っていきたい。
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