Project/Area Number |
23K05974
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 46010:Neuroscience-general-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平岡 優一 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (00778681)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | アストロサイト / direct conversion / Direct conversion / 再生医療 |
Outline of Research at the Start |
本計画では、遺伝学的にツールによって予め脳内全域のアストロサイト特異的にPtbp1ノックダウンしたマウスを作製し、このマウスを下地としてAAVベクターを用いたin vivo CRISPR KOシステムを用いてより高効率にdirect conversionを誘導可能な遺伝子ノックダウンの組み合わせを探索、分化転換を阻害している因子を特定する。さらに分化転換能増加により得られた再生神経が十分な機能を有しているかの確認として、小脳プルキンエ細胞の脱落を示す小脳神経変性疾患である脊髄小脳変性症6型の疾患モデルマウスでありCav2.1-CtmKOマウスを用いてその運動失調が回復するか評価する。
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Outline of Annual Research Achievements |
小脳アストロサイトから神経細胞へのdirect conversionを行う方法を検討するため、アストロサイト特異的Ptbp1欠損マウスを作製し、その欠損によってアストロサイトから神経細胞へのconversionが起きるのかを評価した。既存の論文ではPtbp1発現制御によって中脳/網膜などで神経細胞への分化が報告されていたが、今回解析したPtbp1欠損マウスではPtbp1発現が減少していることがウェスタンブロットや免疫組織化学染色などではっきりと確認出来ているにも関わらず、既報の神経細胞への分化は全く観察されなかった。解析を実施している最中に、他の研究者からもPtbp1欠損が神経細胞分化を誘導しないことを示す報告( Nature. 2023 Jun;618(7964):E1-E7)がなされ、既報で見られた現象がPtbp1欠損により一義的に起きてはいないことが強く示唆された。これまでにPtbp1制御を用いてdirect conversionを示している報告ではウイルス感染や薬剤による神経脱落などを伴った実験を行っているため、これらの外的要因が重要である可能性を考慮し、今後Ptbp1に加えて共通するメカニズムである炎症応答因子に着目して新たな因子の探索を行っていく予定である。アストロサイト特異的Ptbp1欠損マウスの特定脳領域に対して炎症応答を誘導する薬剤(LPSなど)や神経脱落を起こす薬剤ジヒドロカイニン酸などを局所投与し、これらの操作によりDirect conversionが起こるかを検証する。また、これまでに報告された欠損によって神経分化誘導に寄与することが知られる遺伝子群のガイドRNAライブラリを作製し、ウイルスベクターをもちいてKOスクリーニング実験を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
既報で観察されたPtbp1欠損によるアストロサイトから神経細胞へのdirect conversionが、既報よりも厳密な実験系である遺伝学的手法を用いたにも関わらず全く観察されなかった。同様の報告は他の研究者からも挙げられている( Nature. 2023 Jun;618(7964):E1-E7, Cell Rep. 2022 Jun 14; 39(11): 110849.)ため、過去の報告で観察されたPtbp1発現制御による神経細胞へのdirect conversionはPtbp1発現低下に加えて別の因子も寄与している可能性が強く示唆された。その因子の同定のため、当初計画を変更して新たなスクリーニング実験などを検討する必要が生じたために進捗に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでにPtbp1制御を用いてdirect conversionを示している報告ではウイルス感染や薬剤による神経脱落などを伴った実験を行っているため、これらの外的要因が重要である可能性を考慮し、今後Ptbp1に加えて共通するメカニズムである炎症応答因子に着目して新たな因子の探索を行っていく予定である。アストロサイト特異的Ptbp1欠損マウスの特定脳領域に対して炎症応答を誘導する薬剤(LPSなど)や神経脱落を起こす薬剤ジヒドロカイニン酸などを局所投与し、これらの操作によりDirect conversionが起こるかを検証する。 また、これまでに報告された欠損によって神経分化誘導に寄与することが知られる遺伝子群のガイドRNAライブラリを作製し、ウイルスベクターをもちいてKOスクリーニング実験を検討する。
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