Project/Area Number |
23K05977
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 46010:Neuroscience-general-related
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
細島 頌子 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (90847914)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | 微生物ロドプシン / 細胞内情報伝達 / オプトジェネティクス / 光遺伝学 / 電気生理学 / カルシウムチャネル / カルシウムポンプ |
Outline of Research at the Start |
生体内では様々な情報伝達行われており、カルシムイオンは二次メッセンジャーとして重要な役割を担っている。本研究ではカルシウムイオン結合型の非輸送性ロドプシンと柔軟なイオン輸送機構を持つヘリオロドプシンを用いて、時空間分解能の高いカルシウムイオン選択的なトランスポーターをデザインし、光による細胞内カルシウム濃度の自在な制御ツールの実現を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
微生物ロドプシンを用いた光遺伝学では、プロトン、ナトリウム、カリウムなどの輸送を光で制御することができる。さらに2022年、光受容カリムチャネルが自然界から発見され、光によってカリウムイオンの輸送を制御することも可能になった。今日、光遺伝学的手法は神経科学のみならず、広い分野で用いられるようになり、生命現象に対する新たな知見をもたらした。次世代の医療への応用も期待されるなど発展性も高い。しかし一方で細胞内の情報伝達に重要な役割を担っているカルシウムイオンを選択的に輸送する光駆動ポンプもしくは光受容チャネルは未だ自然界から発見されておらず、また人工的に作製された光受容カルシウムチャネルには選択性の低さなどが指摘されおり、多くの課題が残されている。本研究ではこれらの問題を解決するため、カルシウム結合型の非輸送性ロドプシンとイオン輸送型のヘリオロドプシンを組み合わせることで、細胞内情報伝達を制御する新たなツールとして光で活性化されるカルシウムトランスポーターを創出する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
いくつかの新たなヘリオロドプシンや微生物ロドプシンの電気生理学的測定を行った。GtCCRsやKnChR、カリウムチャネルロドプシン等のカルシウム選択性を確認した。またカルシウム選択性を向上させるような変異体を作製し、反転電位を確認した。その結果、KnChRではチャネルの開閉時間に変化が見られ、ゲーティングに関与するアミノ酸残基が示唆された。さらに新規のヘリオロドプシンを見出し、そのイオン輸送能を調べた。イオン輸送能は見られなかったが、これまでに知られているヘリオロドプシンとは吸収波長が異なることが分かった。 イオン輸送能のあるヘリオロドプシン(V2HeR3)を用いて変異体を作製し、イオン選択性を電気生理学的に調べた。いくつかの変異体で反転電位のシフトが見られた。カルシウム選択性については今度、さらに検討する。イオン輸送能を持たないヘリオロドプシン(TaHeR)を鋳型とし、変異体を作製したがイオン輸送は確認できなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
ASRはセンサリーロドプシンとして知られ、イオン輸送能がない。しかしASRの217番目のアスパラギン酸をグルタミン酸に置換したところ(D217E)、内向きにプロトンが輸送されることが確認され、プロトンポンプとして機能することが報告されている。TATロドプシンは、カルシウム結合が確認された微生物ロドプシンであるが、イオン輸送能は示さない。TATロドプシンの変異体を作製し、カルシウムトランスポーター化を目指す。 またカルシウム透過性が上昇したChR2変異体が報告された。同様の変異を他の微生物ロドプシンもしくはヘリオロドプシンに加え、カルシウム選択性や透過性の変化を電気生理学的に調べる。また上記変異箇所を天然に持つ新奇のロドプシンを探索する。
|