Project/Area Number |
23K05986
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 46020:Anatomy and histopathology of nervous system-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
江川 遼 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (20722226)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 分岐形成 / トノトピー / ライトシート顕微鏡 / ニワトリ胚 / 卵内エレクトロポレーション |
Outline of Research at the Start |
脳幹聴覚回路は、音が左右の耳に到達する際の1ミリ秒にも満たないわずかなずれ(両耳間時差)を検出して音源定位に寄与する。鳥類の脳幹では大細胞核(NM)から層状核(NL)へ投射する軸索が音の周波数ごとに両耳情報を統合するユニークな配線パターンを構築していて、これによって両耳間時差を活動する細胞の場所情報として符号化している。本研究では、in vivoスクリーニングにより両耳間時差検出を支える配線パターンの構築メカニズムにアプローチする。
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Outline of Annual Research Achievements |
脳幹聴覚回路は、音が左右の耳に到達する際の1ミリ秒にも満たないわずかなずれ(両耳間時差)を検出して音源定位に寄与する。鳥類の脳幹では大細胞核(NM)から層状核(NL)へ投射する軸索が音の周波数ごとに両耳情報を統合するユニークな配線パターンを構築していて、これによって両耳間時差を活動する細胞の場所情報として符号化している。複雑精緻なこの配線パターンはどのように作られるのだろうか。本研究では、両耳情報の統合を支える側枝形成のしくみと、音の周波数順に規則正しく配線を接続するしくみに焦点を当て、in vivoスクリーニングを重ねることで責任分子を探索し、両耳間時差検出を支える配線パターンの構築メカニズムを明らかにすることを目的とする。 初年度である令和5年度は、in vivoスクリーニングの系を改良し、①コンディショナル多重ノックアウト法、ならびに②スピニングディスク共焦点を活用した200um厚スライスの三次元ミクロ形態解析の手法を確立した。①により、従来の単一遺伝子ノックアウトでは機能的代償によりフェノタイプが出なかった分子群を効率的に評価することが可能となった。また②により、ライトシート顕微鏡の分解能では評価が十分に行えなかった遅延線の側枝の3次元形態を免疫染色を組み合わせて解析することが可能となった。上記の要素技術は本研究計画の中核となるin vivoスクリーニングの効率化と深化に重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度はin vivoスクリーニングの系を改良に注力した。これまでドミナントネガティブ変異体による機能阻害により、同側投射の形成にRac経路が関与していることが示唆されていた。一方でドミナントネガティブ変異体の阻害対象は広範囲に及ぶため責任分子の同定には不十分であった。また、各Racアイソフォームをそれぞれノックアウトしてもフェノタイプは得られなかった。本年度に確立した多重ノックアウト法により3つのRacアイソフォームをトリプルノックアウトした結果、同側投射の形成不全が再現でき、責任分子である確証が得られた。本手法を用いれば単一遺伝子ノックアウトの際に生じる機能的代償の問題を解決でき、in vivoスクリーニングのさらなる効率化に寄与すると期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで確立した単一遺伝子ノックアウトでは、同一機能を持った類縁分子により機能的代償が生じると考えられる分子群についてはアプローチすることが難しかったが、簡易な多重ノックアウト法の確立により効率的なin vivoノックアウトスクリーニングが可能となった。今後はこの系を用いて、両耳間時差検出を支える配線パターンの構築を支える責任分子のさらなる探索と関連分子の絞り込みを行う。
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